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偽善はどっちだ(2)

前エントリで産経の主張の「偽善」について書きましたが、同じ主張の後段もまた悲惨の極み。

--
【主張】
安全保障と憲法 「軍」が道義国家支える 自立し日米同盟に双務性を
2013.4.28 03:25 [主張]

(略)

 ◆「法の支配」明確にした

 本紙の要綱では第15条(国際平和の希求)で、「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」との基本姿勢を示し、「国際法規に従って、国際紛争の平和的解決に努める」と誓った。これまで発表された他の改憲諸案の国防条項にはない「法の支配」を明確に打ち出している。

 その上で、現行憲法9条2項にある「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」との条項を全面的に改めた。国家に自衛権があることは疑いないのに、交戦権を認めなければ悪辣(あくらつ)な侵略者を排除できないからである。

 そこで要綱では、第16条1項で「国の独立と安全を守り、国民を保護するとともに、国際平和に寄与するため、軍を保持する」と明記した。また、軍の名称を「国防軍」「国軍」とするかは、3項で「軍の構成および編制は、法律でこれを定める」として、法律に委ねた。軍に対する文民統制が、背広組による文官統制に陥る弊害を除くため、同条2項で「軍に対する政治の優位は確保されなければならない」と明示した。

 日本を封じるためにつくられた現行憲法は、すでに66年を生きる。ドイツの憲法に相当する「基本法」は、すでに50回以上も改正されている。日本はようやく、真の主権、独立、名誉を取り戻すときを迎えたのである。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130428/plc13042803250002-n1.htm
--

こちらではまず自己矛盾をさらけ出しています。

>これまで発表された他の改憲諸案の国防条項にはない「法の支配」を明確に打ち出している。

それに何か意味があるんですかね。
日本だけが憲法で戦争放棄をうたったって意味がない、それがあなた方の主張だったんじゃありませんか?
だったら、憲法で「法の支配」なんて打ち出したところで、そんなものは日本を侵略しようとしている国には何の意味も無いはずでしょうに。

あるいは、これで日本は侵略戦争に加担できないとでも言うのでしょうか?
残念ながら日本の同盟国であるアメリカは、「侵略」と周囲から言われるような紛争を何度も引き起こしていますけど、彼らが「無法」であったことを認めたことなど一度もありませんよ。

しかも「法の支配」を明確に打ち出したですって?
「努める」なんて、結果は伴わなくても何の問題も無い言葉のどこが「明確」ですか。
「法の支配」を明確に打ち出したと言いたいなら、「国際法規に従って、国際紛争を解決する」でしょうけど、これじゃ「平和の希求」と言えないから、「努める」でごまかしたんでしょ。

>国家に自衛権があることは疑いないのに、交戦権を認めなければ悪辣(あくらつ)な侵略者を排除できないからである。

あからさまなすり替えですね。
前者は自衛権、後者は交戦権。
自衛権が認められていれば、国を守るには十分です。
で、交戦権を認めれば悪辣な侵略者は、日本を侵略しなくなるんですかね?

「法の支配」といい、「悪辣」なはずの連中の理性によりかかった国防をしようとするのが、この産経の憲法に則った国家なんでしょうか(苦笑)。

>そこで要綱では、第16条1項で「国の独立と安全を守り、国民を保護するとともに、国際平和に寄与するため、軍を保持する」と明記した。

そして、このような条文を入れれば、今後もその「軍」の性質が「国民を保護するとともに、国際平和に寄与する」という目的に合致しているかという議論が提起され続ける。すなわち、その「軍」は違憲の存在だと言う人は消えることはない。
彼らが現憲法批判に良く使う「違憲合憲の不毛な議論」の解消には何もなっていないってことです。

>軍に対する文民統制が、背広組による文官統制に陥る弊害を除くため、同条2項で「軍に対する政治の優位は確保されなければならない」と明示した。

そんな「明示」で「背広組による文官統制に陥る弊害を除く」なんてできる理由が存在しません。問題は現在の憲法66条にあたる部分に何を書いているかってことのはずなのに、そこは隠しているのが不思議。
結局は、文民統制を排除したいってことでしょ。
産経の案なら軍人が軍籍から離れて政治に入りこめば、何をしたって「軍に対する政治の優位は確保」されるのですから。

読めば読むほど、デタラメな自称「要綱」です。

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偽善はどっちだ(1)


本当は、憲法記念日前後に書こうと思っていたネタです。

産経が身の程知らずにも発表した改憲案は、憲法の何たるかを無視していることもさることながら、それが実際に世の中をどう動かして行くのか、世界にどういう影響を与えるのかという思索の結果とはとても思えない、ただ、自分達のやりたいことを書いただけの産物です。
おそらく、高校生くらいでもこれくらいのものは書けるのではないでしょうか。

で、その自分達の作ったものをまた「主張」で繰り返して紙面を載せる。
そういう政治的な主張をメインに据えたいなら、新聞の看板を下ろしなさいと言いたいとことろです。

その中でも悲惨な「主張」がこれでした。

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【主張】
安全保障と憲法 「軍」が道義国家支える 自立し日米同盟に双務性を
2013.4.28 03:25 [主張]

 現行憲法の核をなす「戦争の放棄」こそは、美名の下に国家の自立にタガをはめて、抑止力を阻害する元凶であった。本紙の「国民の憲法」要綱は、これを民主国家では一般的な「国防」に改め、軍の保持による「独立自存の道義国家」へ道を開いた。

 戦後日本が建前とするのは、第2章第9条の「戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認」であり、国民はその護持を教え込まれてきた。とくに護憲勢力は、第9条のおかげで日本が戦争に巻き込まれずにすんだと世間を欺いた。

 ◆偽善の第9条よさらば

 だが、国際政治の現実は、そうした空想的平和主義が通用するような甘い世界ではない。日本が巻き込まれなかったのは、戦争放棄の偽善的条項ではなく、日米安全保障条約に基づく同盟の軍事力ゆえに他ならない。米ソ冷戦時代の核抑止力と同様に、冷戦後のいまも、それは生きている。

 戦後の宰相、吉田茂は昭和21年5月に内閣を発足させると、連合国軍総司令部(GHQ)がつくった憲法草案にそって検討を始めた。草案には、日本が二度と米国に歯向かわないようにする意思が刻まれ、第1条の天皇と第9条の戦争放棄に、それは集約されていた。GHQは天皇の地位を事実上の“人質”に、国防まで放棄するよう迫っていたのである。

 吉田は占領憲法の制約下で、日本独立と経済復興を最優先の政治課題とした。独立にあたっては、憲法の不完全さを補うため、米国に日本防衛を担ってもらう日米安保条約の締結を働きかけた。その経緯からしても、吉田はサンフランシスコ講和条約を受けて、主権が回復した段階で、憲法改正を目指すべきであった。

 それは日米同盟があっても、決して矛盾しない。むしろ、日米安保条約に自立と双務性を加味し、真の同盟条約にすべきである。だが、吉田時代は国民に反軍機運が強く、米国の保護膜から脱皮しようとの動きは薄らいでいった。しかも、護憲派は第9条改正の動きに「戦争ができる国にするのか」と人々の敗戦トラウマに訴えた。その自己欺瞞(ぎまん)によって、抑止力を強化して戦争を仕掛けられないようにするという普通の国の思考は葬られていく。

 しかし、あれから六十余年を経て、日本を取り巻く国際環境は劇的に変わった。日本は周囲を中国、ロシア、北朝鮮という核保有国や開発国に囲まれ、領土領海では日常的に軍事大国からの威嚇を受けている。中国との力の均衡が崩れ、これを制御する抑止力が著しく低下してしまった。

 日本はこれまで9条2項を「平和主義」に読み替え、非核三原則、専守防衛で安全神話の化粧を施してきた。実際には兵器システムの近代化で攻撃なき防御は難しい。さらに、集団的自衛権は保持しているが、行使できないという理不尽な政府解釈をとる。日本は主権を守るための抑止力を、自ら破壊してきたといえるだろう。

(略)

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130428/plc13042803250002-n1.htm
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『現行憲法の核をなす「戦争の放棄」こそは、美名の下に国家の自立にタガをはめて、抑止力を阻害する元凶であった。』って、現に日本は日本国憲法制定以来、一度も外国からの侵略を受けてこなかったばかりか、アメリカのように国際的なテロ組織から「報復」の名の下に自国民を殺されるという事態もほとんど発生しなかった、それこそが現実。
産経などが言っていることは、その現実を無視した、まさにお花畑脳の産物です。

そしてよりによって憲法9条を「偽善」呼ばわりまでしている。
果たして偽善はどちらなのか。

自衛隊を軍にする、集団的自衛権を行使できるようにする、そんな改憲をしたところで、一体全体日本の「抑止力」がどうして向上すると言えるのか、これまで一度たりとも説明されたことがありません。

結局、彼らのやりたいことは「集団的自衛権行使」の名の下に、日本の軍事力をアメリカのために使えるようにする、そのような改憲をして、自分達がアメリカからヨシヨシと頭をなでてもらいたい。
あるいは自衛以外の戦争も可とすることで、軍事力を笠に着てアジアの中でデカイ顔をしたい、中国韓国を黙らせたい、そのどちらか。

『偽善』は、明らかにこういう改憲をやろうとしている方です。

>しかも、護憲派は第9条改正の動きに「戦争ができる国にするのか」と人々の敗戦トラウマに訴えた。その自己欺瞞(ぎまん)によって、抑止力を強化して戦争を仕掛けられないようにするという普通の国の思考は葬られていく。

「敗戦トラウマ」に訴えることがなんで「自己欺瞞」になるのかさっぱり意味不明。これでは、用法など無視して、ただ自分の知っているネガティブな言葉を投げつければ、それで反論オーケーという、ネトウヨ思考丸出しの文章ですね。
しかも日本は自衛隊の維持整備に毎年多額の税金を注ぎ込んでいるじゃありませんか。それは「抑止力を強化して戦争を仕掛けられないようにする」ためじゃないんですかね。
日本国憲法第9条を戴いていたって、決して「普通の国の思考は葬られて」などいない。それが現在の日本です。

で、この主張のタイトルが『「軍」が道義国家支える』ですって。
普通はそういう発想は北朝鮮のような先軍政治を標榜している国のものなんじゃありませんかね。

産経などの極右連中の理想の国は、やはりあの国のようです。

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銃を持つ権利を与えられても自分の命を守る権利を与えられたことにはならない

先日書いた、「今日が最後の憲法記念日になるかもしれない」というエントリに、 goldbugさんという方から、
「人権は神に与えられるものじゃない」という趣旨のコメントをもらいました。

その論拠は、アメリカは基本的人権として銃を持つ権利を与えているのに、日本などは与えていない、だから基本的人権とは国家が与えるものだというものでした。
それに対し、私は、アメリカという国が銃を持つ権利を基本的人権に含めているだけで普遍的なものではない、それが入っていなかろうが、本来の基本的人権が神から与えられたものだということに変わりはないと答えました。

で、以後、goldbugさんは本来の主張とは関係ない、銃を持つ権利を与えないのは個人が自分の命を守る権利を放棄させることだとの主張を繰り返し、私は「銃を持つ権利=自分の命を守る権利」ではないというお答えを続けてまいりましたが、先日、goldbugさんから退場宣言が発せられ、議論はとりあえず終わった形になっています。

その過程でgoldbugさんからは、頻りに「力の弱い女性などが屈強な男と対等に渡り合うためには、銃を持つしかない」といった内容の発言がなされましたが、はたしてそれは正しいのでしょうか。

現実には、個人が銃を携行できるアメリカで、銃で殺される人の数は年間1万人。一方、日本では銃以外の手段も含めても殺される人の数は年間で400人程度
銃を持つことで自分の命を守ることはできていないといってかまわないでしょう。

何故このようなことが起きるのか、私なりに考えてみました。

******************************

(1)個人が銃を持てるということは暴漢も銃を持てる

一番大きな要因はこれでしょう。
誰もが銃を持てれば、他人の命を奪ってでも何かを成し遂げようと思う者も銃を持てるということ。
つまり、自分の防御力を高められるとしても、暴漢の攻撃力も高まる以上、その差は縮まらないどころか、逆に、「力の弱い女性など」の暴漢の方が、被害者として狙いを定めた「屈強な男と対等に渡り合うため」に使われることすら考えられる。
銃がなければ身体能力的に誰かを殺すことなどできそうにない者にまで誰かを殺す手段を与える、銃とはそういうものになっているということであり、個人が銃を携行できる限り、この行動を止めることはできないでしょう。

(2)暴漢は被害者が銃を持っている前提で行動する

また、仮に暴漢が銃を持たずに誰かを襲ったとします。でも、個人の銃の携行が認められている国で、相手も丸腰だなんて思う暴漢はよっぽどの間抜け。ほとんどのケースで、暴漢は被害者が銃を持っているという前提で襲撃してきます。
となると、例えば金品目的の襲撃だとして、日本なら刃物などで脅して財布を奪えばあとは逃げるだけですけど、アメリカでは財布を奪って逃げようとして背を向けた途端に、被害者から撃たれるかもしれないと暴漢は考えますから、そういうことができないように身体的に痛めつけるか殺してしまうしかないとなる。
だから、殺される人がこんなに多くなってしまうのではないでしょうか。

(3)銃を持つ者の殺意に、銃では対抗できない。

一方、相手が銃を持っていることが、誰かを殺すことを思いとどまる、即ち殺人の抑止力になるでしょうか?
これは抑止力にならないと言ってかまいません。
なにしろ、銃で自分の身を守るには、暴漢が攻撃して来ることを認識して、その暴漢に銃を見せて、こちらを攻撃することを諦めさせるか、暴漢を撃って戦闘力を奪うしかない。
でも、暴漢が最初から銃で殺すつもりでいたら、相手にわざわざ攻撃することを教えるはずもないし、相手が銃を見せたところで、暴漢は撃ってしまえばそれで目的達成。暴漢自身が銃を持てれば、相手が銃を持っていたって、殺そうとしている方が必ず先手を取れるのですから、殺人の実行には何の支障もないのが残念ながら現実です。

銃犯罪の加害者と被害者は、別に決闘をしているわけではないってことです。

(4)銃なら、遠くから人を殺せる

(3)とも関係することですが、銃の特徴は離れた場所から人を殺傷できるということ。銃を持たずに他人を殺そうと思うと、刃物を使うにしろ、首を絞めるにしろ、突き落とすにしろ、相手の手が届く範囲に接近しなければなりません。そうなると、反撃される可能性が高くなるし、失敗したときに顔を見られて犯人として名指しされる可能性も高くなります。
ところが、銃ならそこまで近づく必要がない。こちらの殺意を察知される前に、数メートル離れたところで撃ってしまえば反撃も来ないのですから、人を殺すハードルがものすごく低くなります。

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ということで、個人が銃を持てるということは、自分の身を守るではなく、自分の身を危うくするという結果にしかならない。goldbugさんがおっしゃっていたような、暴漢から銃で自分の身を守るというシチュエーションが発生することは、現実には無いと言ってかまわないと言えるでしょう。

では、アメリカの人々は何故銃を持つのでしょう。

犯罪に対する抑止だとすると、それは、こんなことで殺されては割りに合わないと犯罪者が考えるような、そして、相手を殺すつもりは無いような、スリ、ひったくり、住居等に侵入しての窃盗、そういうものに対してのものでしょう。
こちらは、確かに相手が銃を持っているかもと思ったら、実行を躊躇する可能性が高いと言えます。

つまり、アメリカ人が銃を持つのは自分の身を守るためではない、自分のお金を守るため。
goldbugさんは、そこのところを完全に見誤っていたということです。

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つまり川口前委員長は中国に利用されたってことだ


安倍政権が中国の罠にはまったと申し上げたら、あからさまなダブスタを使ってまでそれを擁護しようとする人が出てくる始末。
あの極右政権にシンパシーを感じる人って、残念ながらちゃんと論理的な思考をする訓練を受けてこなかったんでしょうね。

産経は今年の1月に鳩山元首相が中国に行った時に、こんな記事を書いていたんですけど。

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習近平政権の狡猾外交に利用された鳩山氏、日本の国益損なう
2013.1.17 20:07 (1/2ページ)[鳩山由紀夫]

 【北京=矢板明夫】中国当局の招待で訪中した鳩山由紀夫元首相は、中国側の要人と会談した際に「尖閣諸島は係争地」と表明した後、旧日本軍の残虐さを強調する南京大虐殺記念館をも訪れた。沖縄県・尖閣諸島の問題をめぐり日中間の対立が深まる中、鳩山氏は中国の期待に応える形で自身が提唱する“友愛精神”を演出したが、一連の行動によって鳩山氏は習近平政権の狡猾(こうかつ)外交に利用され、日本の国益を大きく損なったと言わざるを得ない。

 そもそも中国がこの時期に鳩山氏を招待したのは、日中関係を修復させるためではない。鳩山氏が安倍晋三政権に対し全く影響力を持っていないことを中国側は承知しており、日本政府と対話するつもりなら、ほかに適任者はいる。日本への強硬姿勢を隠さない習近平政権には、鳩山氏の元首相という肩書を利用して、安倍政権が展開する対中外交の無力化を狙う目的があるとみられる。

 現在、東南アジアを歴訪している安倍首相は、尖閣問題で中国の理不尽さを訴え、日本への支持を広げようとしている。このタイミングで、3年前まで日本の首相を務めた人物が中国の言い分に同調すれば、日本の世論が二分している印象を国際社会に与え、安倍外交の説得力を弱めることができるというわけだ。

 同時に、今後の日中交渉のハードルを高くしようとの狙いもありそうだ。日本政府は、自民党の高村正彦副総裁を中国に首相特使として派遣しようとしている。その前に、中国にとっての“イエスマン”の鳩山氏との会談をはさむことで、「日本が中国の要求を受け入れた」との錯覚を国内外に与え、これから交渉する高村氏に対し、尖閣問題で譲歩を迫る圧力を加えようとしているようだ。

 中国が公明党の山口那津男代表を招待したことも明らかになった。中国共産党と古くから友好関係にある公明党は、自民党よりくみしやすい相手だと中国側がみている可能性がある。山口氏から鳩山氏と同じような言質をとって、安倍政権の外堀を少しずつ埋めようとしている狙いもありそうだ。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130117/chn13011720080008-n1.htm
--

この記事の2段落目以降は、「鳩山元首相」「川口元外相」と書き換えれば、そっくりそのまま今の安倍政権を評する記事として使えそうですね。

この記事に則れば、高村副総裁の訪中を断って、川口元外相をこの呼んだのは、中国の川口氏に対する見方が

「中国にとっての“イエスウーマン”」
「くみしやすい相手だと中国側がみている」
「安倍政権の外堀を少しずつ埋めようとしている」


ということだと言えるでしょう。

そして、川口氏の居残りは、

「習近平政権の狡猾(こうかつ)外交に利用され、日本の国益を大きく損なったと言わざるを得ない。」
「川口氏の元外相という肩書を利用して、安倍政権が展開する対中外交の無力化を狙う目的があるとみられる。」


と評されても仕方のないものだと。
論理的にはそうなるはずですけど、そうならないのが産経をはじめとする極右の皆さんってことなんですよね。
ヤレヤレ。

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安倍政権は中国の罠にしっかり嵌っちゃってますね

川口委員長の解任問題で、前委員長を一生懸命擁護している産経ですけど、その問題が発生していたまさにそのタイミングで、こんな記事を書いていたんですね。

書いたのは、あの自称編集委員、実際は安倍のスポークスマンであり、新聞紙上でデマを流したと裁判でも断ぜられた阿比留瑠比。

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【阿比留瑠比の極言御免】
“伝書鳩”使った中国の失敗
2013.4.26 11:36 (1/3ページ)[鳩山由紀夫]

 習近平国家主席ら中国指導部の外交手腕はけっこう拙劣だ。民主党政権時代の過去の「成功体験」にすがり、またもや会談を「する・しない」を外交カードとして繰り出してきたが、もはや日本に通用しない。

 中国は尖閣諸島(沖縄県石垣市)問題や閣僚の靖国神社参拝をめぐり、いかに挑発しても動じず「大人の対応」を続ける安倍政権に打つ手がない。そこで、5月初旬に訪中し、習氏や李克強首相らと会う予定だった自民党の高村正彦副総裁に突然「会えない」と伝え、揺さぶりをかけてきた。

 「会う会わないを外交交渉のツールとして使うべきではないし、使われてはならない。われわれは決して(会談を)焦っていない」

 安倍晋三首相は23日の参院予算委員会でこう突き放した。相手に「顔を立てて会ってやった」と恩を着せ、交渉を優位に進めようとするのが中国や北朝鮮の常套(じょうとう)手段であることを、首相は熟知している。

 もっとも、中国がこんな子供だましの手法を多用するのには理由がある。日本では長く、政治家もメディアも、この「会わない作戦」に簡単に動揺し、譲歩を重ねてきたからだ。

 例えば平成22年9月の中国漁船衝突事件で当時の菅直人首相は、同年11月に予定されていた日中首脳会談の中止をほのめかされると「ベタ折れ」(外務省幹部)し、中国人船長を超法規的に釈放した。自民党の丸山和也参院議員によると、当時の仙谷由人官房長官は「(中国への)属国化は今に始まったことではない」と開き直りすらした。

 一方、著書で日中関係の「政経分離の原則」を説いたこともある安倍首相は周囲にこう漏らす。

 「5年、10年(要人の)会談がなくても、それでいいんだよ。日本の経済力が強くなれば問題ない。中国が尖閣問題であれだけめちゃくちゃやると、日本の国民世論も乗せられない。中国は墓穴を掘った」

 もう一つ、政府高官が「中国の失敗だった」と指摘する問題がある。それは、中国の主張を代弁させるメッセンジャー役に、よりによって鳩山由紀夫元首相を使ったことだ。

 「おかげさまで、首相を辞めた後も海外でさまざまな活動をできている。この財産を国益に資するように使わせていただきたい」

 昨年11月の引退記者会見でこう述べた鳩山氏を、中国は今年1月、手ぐすね引いて招聘(しょうへい)し、中国側の意向に沿った「尖閣は係争地」との言葉を引き出した。史実に反する展示が目立つ南京大虐殺記念館では、改めて謝罪もさせた。一見、中国外交の勝利に思える。

 だが、日本国民はしらけていた。在任中に「国というものが何だかよく分からない」と述べていた鳩山氏が、今さら日本の国益を理解できる道理がない。

 「あの鳩山氏がそういうのだから、きっと違う」

 多くの人はこうも直感したはずだ。もう誰もはなも引っかけない鳩山氏を厚遇し、その言動を評価してみせたことで、中国はかえって底意を見透かされたのである。(政治部編集委員)


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130426/plc13042611410039-n1.htm
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滑稽なのが2段目からの部分ですね。

「会う会わないを外交交渉のツールとして使うべきではないし、使われてはならない。われわれは決して(会談を)焦っていない」

と偉そうなことを言い放ったのが4月23日のことで、その翌日にはもう楊氏と会談できるという不確かな話にも焦って飛びついたってことですが。

『相手に「顔を立てて会ってやった」と恩を着せ、交渉を優位に進めようとするのが中国や北朝鮮の常套(じょうとう)手段であることを、首相は熟知している。』

はずの人が、あっさりその常套手段に乗ってしまった訳ですか。

「5年、10年(要人の)会談がなくても、それでいいんだよ。日本の経済力が強くなれば問題ない。中国が尖閣問題であれだけめちゃくちゃやると、日本の国民世論も乗せられない。中国は墓穴を掘った」

と言っておいて、あっさり自分たちが墓穴に入ってしまった訳ですね。

案外、中国がこのような会談話を持ち出したのは、安倍首相がこんなことを国会で言ったからじゃないでしょうかね。何しろタイミングがばっちりじゃありませんか。
そして、安倍首相自身の言葉をあっさり裏切って、自分たちの「子供だましの手法」に簡単に乗せられた日本政府のことを、中国は笑いものにしているのではないでしょうか。

いずれにしろ、この記事は明らかに安倍政権へのフレンドリーファイア。
まあ、この安倍発言と川口前委員長の開き直りの不整合を問題にする真っ当なマスコミも残念ながら存在しないのが、今の日本なのですけれど。

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そう言えば、自民党政権は「外交に影響ない」と言ってましたよね

前エントリで書いた、川口委員長の解任問題で、一部の「自称」マスコミは中国との間の対話が途絶えているから川口氏程度の議員でも中国の要人と会う意味があったなどと、与党側の主張を擁護するようなことを言ってましたよね。

でも、つい先日自民党政権はこんなことを言っていたはずですよ。

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靖国参拝 麻生副総理ら「外交に影響ない」
2013/04/24 10:06

 安倍晋三首相による靖国神社への供物奉納や閣僚の参拝に中韓両国が反発していることに対し、春季例大祭に合わせて参拝した閣僚らは23日の記者会見で外交への影響を否定した。

 麻生太郎副総理兼財務相は「海外で反応が出ているというが、外交に影響が出ることはあまりないだろう」と語った。古屋圭司国家公安委員長も「英霊に哀悼の誠をささげることは国会議員の責務として当然。内政の問題だ」と指摘。北朝鮮による日本人拉致事件への影響については「深刻な影響があるとは一切考えていない」と否定した。

 20日に参拝した新藤義孝総務相は「私的参拝で、近隣諸国に影響を及ぼすとは考えていない」と語った。さらに、菅義偉官房長官は「私人としての自由な判断だ」と強調。岸田文雄外相は「影響が出ないよう、しっかり対応していきたい」と述べた。


http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/648987/
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「外交に影響ない」はずだったのに、たかが一参議院議員の委員長ごときが出て行かなければならないほど、両国間の外交関係が途絶えているなら、あの「外交に影響ない」という言葉は嘘だったと言わざるを得ませんな。

そのことをちゃんと指摘するマスコミはいないんでしょうかね。

ちなみに、靖国参拝を「内政の問題だ」など言い放ち、憲法20条違反をやらかしたのは古屋国家公安委員長。こんな人物が国家公安委員長だというのも何の冗談かってところです。


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国益を守ったと言いたいなら、その結果を示しなさい

参議院の川口環境委員長が解任されました。
解任のネタ自体は、そこまでするほどのことかなと思わなくもありませんけど、それに対しての自民党側の言い分は、はっきり言ってみっともない

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川口委員長を解任、参院本会議初の可決に川口氏「野党の劣化、誠に理不尽」 
2013.5.9 12:17 [自民党]

 参院本会議は9日午前、野党7党が提出した川口順子(よりこ)環境委員長(自民)の解任決議案を採決し、野党の賛成多数で可決した。衆参両院を通じて常任委員長の解任決議の可決は初めて。与党側は8日の参院予算委員会を欠席する異例の措置をとったが、9日の解任決議を受けて審議に復帰し、国会は正常化する。参院選を前に与野党の攻防が激化しており、自民党は後任の人選を急ぐ。

 解任決議案の趣旨説明で、民主党の松井孝治氏は「政府(の閣僚ら)に厳しい出張を求め、国会がお手盛りではけじめがつかない」と指摘。みんなの党の水野賢一氏も「私的な外遊を優先して公務の委員会をすっぽかす前代未聞の不祥事だ」と攻め立てた。

 川口氏は、決議可決後に記者会見し「私は領土と主権を守り日中関係を改善する国益を守ったことで解任される。誠に理不尽だ」と怒りを露(あら)わにした。その上で「野党が憲政史上初めて国益の議論もせず、数を頼りに党利党略で解任した事件だ。国民の政治不信が一層増す。野党の劣化の象徴的事件だ」と野党の対応を批判した。

 川口氏は4月23、24日に訪中したが、24日になって25日の会合に楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(ようけつち)国務委員(外交担当)が出席することが判明。自民党は野党に帰国延長を申し出たが認められず、25日の参院環境委員会は流会になった。民主、みんな、生活、共産、みどりの風、社民、日本維新の会が5月7日に解任決議案を提出。新党改革も賛成者に名を連ねた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130509/stt13050912200003-n1.htm
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まあ会議が流れたとしても、当日ドタキャンというわけでもなく、その程度の予定変更は認めてやってもよいかなとも思います。
でも、だったら「誠に申し訳ありません」という態度で接すべきものであって、「国益」だの何だのと言って己の行動を正当化しようとする自分こそ、政治家以前に人として「劣化」していると認識すべきです。

だいたい「私は領土と主権を守り日中関係を改善する国益を守った」なんて言ってますけど、具体的に何をしたのか、ちゃんと皆さんに説明しましたか?
少なくとも私は、どんな成果があったのか、何も聞かされていないんですけど。
ただ、誰某と会ったってだけじゃ、それを「国益を守った」なんて言えないんですよ?

そんなこともわからないようなら、委員長なんて地位に就くべきじゃない。そういう意味でも「解任」は正解だったということでしょう。


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憲法96条改正で国民を騙そうとしている安倍首相


安倍首相は、憲法96条改正を先行させようとしており、その必要性を訴える際に、海外では何度も憲法が改正されていると言う話を持ち出します。そして、3分の1強の国会議員が反対したら改正できないのはおかしいと。

しかし、実際には諸外国では、高いハードルをクリアしつつ改正を行っていることこそ事実

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憲法改正 日本より条件低くないが米6回、仏27回、独58回も
2013.01.26 16:00

 日本人にとって憲法改正は何か「特別なこと」のように感じられる。だが、諸外国に目を転じれば、憲法改正は当たり前のように繰り返されてきたのが実態だ。
 1945年以降、アメリカは6回、カナダは18回、フランスは27回、日本と同じ敗戦国であるドイツでは58回も憲法を改正しているのである。
 これらの国では、どんな手続きで憲法改正が行なわれているのか。日本大学法学部の甲斐素直・教授(憲法学)が解説する。
「国の統治制度には単一国家と連邦国家があり、憲法改正の方法も異なります。アメリカやドイツのような連邦国家の場合、州ごとに独自の憲法があるので、連邦憲法は一種の条約のようなもの。憲法改正は国会が『発議』し、州の『承認』を得ることになる。一方、日本やフランスのような単一国家では、国会が『発議』し、国民が『承認』するという手続きになる」
 この点を踏まえたうえで、各国の改正規定を見ていこう。
 まずアメリカの場合、上下両院の3分の2以上の賛成で発議され、全州の4分の3以上の州議会の賛成があれば承認される。
 戦後の米国の憲法改正は、1951年の「大統領の3選禁止」(第22修正)、1971年の「選挙権年齢の18歳引き下げ」(第26修正)などが行なわれてきた。直近の改正は、1992年の「上下院議員の歳費を改定する法律は、次の選挙が行なわれた後に施行する(つまり、歳費は当事者の議員が決めることはできない)」という第27修正だ。
 このように米国の改正は、「条文の書き換え」ではなく、「修正条文を付け加えていく方式」のため、改正しやすいといえるかもしれない。
 ドイツでは連邦議会の3分の2以上、連邦参議院でも3分の2以上の賛成が必要だ。ドイツは連邦議会と連邦参議院の二院制とされているが、連邦参議院は選挙で選ばれた議員で構成されるのではなく、各州政府の首相や閣僚など、連邦を構成する州の代表者で構成される。
「連邦国家では『州』が『国民』に相当すると考えると比較しやすい。アメリカもドイツも国会は日本と同じ3分の2以上の賛成ですが、日本の国民投票は2分の1以上ですから、アメリカの4分の3、ドイツの3分の2というのは、日本以上に厳しい規定だといえる」(前出・甲斐教授)
 日本と同じ単一国家のフランスでは「死刑の禁止」を定めた66条改正などが行なわれてきた。同国は大統領制なので、大統領の権限による改正手続き(11条)もあるが、
「基本は、首相が大統領に憲法改正を提案して大統領が発議する、もしくは首相が国会議員に提案し、国会議員が発議する89条による改正です。両院(国民議会と元老院)で過半数で可決された上で国民投票を行ない、国民投票では有効投票数の5分の3以上で承認となります。日本と比較すると、国会の議決のハードルは低いですが、国民投票は逆に日本より厳しくなっています」(同前)
 安倍首相は昨年12月17日の会見で、憲法改正について「3分の1超の国会議員が反対すれば議論すらできない。あまりにもハードルが高すぎる」と語ったが、諸外国と比較すれば、決してそうとはいえないのである。
※週刊ポスト2013年2月1日号

http://www.news-postseven.com/archives/20130126_167727.html
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憲法っていうのは、改正には高いハードルを設けて、本気で改正したいなら、それをクリアできるくらいのコンセンサスを得る努力をすべきってものであって、自分がやりたいから、それをやりやすくする改正を行うなんて行為は、憲法を蔑ろにしているとしか言い様が無い。

そして、諸外国が高いハードルを設けているのを隠して、国民を騙そうとしている安倍のような男が主張する改憲なんて、絶対にやらせてはならないということです。

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今日が最後の憲法記念日になるかもしれない

夏の参議院議員選挙で、日本を前近代国家に引き戻そうしている勢力が、悪くすると3分の2の議席を取るかもしれません。

自民党はとりあえずの争点隠しのために96条を改正するという姑息な手を使おうとしていますが、こんなことを許したら、時の権力を掌握しているものが、好き勝手に憲法を変える事ができるようになる。
そうなれば、もはや政治家の「憲法を守る」という言葉には、枕に(自分の好きなように改正して)がくっつけられるようになり、何の意味もなくなるということです。

96条改正の先に何があるかと言えば、立憲主義の意味も芦部信喜の名も知らない安倍坊ちゃん一派が、おそらく産経新聞が身の程知らずにも紙面に載せたような、ただ、権力者が国民に命令する目的で作られた薄っぺらな改憲案を提示してくるのは火を見るより明らか。

このようなことが行われれば、日本はもはや立憲主義の国ではなくなり、憲法は一介の法律と何ら変わりない、ただ国民を縛り付けるための道具となってしまいます。
そのような堕落した憲法をもはや憲法と呼ぶことはできない。

「今日が最後の憲法記念日になるかもしれない」

私のこの恐怖感が杞憂に終わってくれることを祈るとともに、自分が何をすべきかを考えたいと思います。

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この人、本当に経営者?

ファーストリテイリングの柳井会長兼社長が世界同一賃金を導入すると言い出し、それに対しての反発が強まっているとか。
最近では新卒社員の約半数が3年以内に退社し、正社員全体の3%が精神疾患で休職しているというのですから、かの会社に対しては、これはもう「ブラック企業」の称号を奉るべきでしょうけど、従業員の生活を無視し、ただ会社の利益のみを物差しとしたこの構想は、いかにも「ブラック企業」らしいものと言えましょう。

一方で、この「世界同一賃金」が全ての企業/団体にも導入されたら、ファーストリテイリングという会社が成り立つのかという視点で考えたら、果たしてこの人は「経営者」と言えるのかという疑問もまた生じた次第。

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ユニクロ「やはりブラック企業」の批判 柳井氏の世界同一賃金構想が大炎上!
2013.04.27

 ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が「世界同一賃金」を導入する考えを示したことが、物議をかもしている。22日の朝日新聞によれば、店長候補として採用した全世界で働く正社員すべてと役員の賃金体系を統一する構想で、すでに役員や上級部長らには実施し、今後は一部の店長まで広げるという。
 翌23日付の朝日新聞に掲載された柳井氏のインタビューでは、「グローバル経済というのは『Grow or Die』(成長か、さもなければ死か)」「新興国や途上国にも優秀な社員がいるのに、同じ会社にいても、国が違うから賃金が低いというのは、グローバルに事業を展開しようとする企業ではあり得ない」などと説明された。

 これに対し、コラムニストの小田嶋隆氏が投稿した「世界同一賃金って、要は最貧国水準の賃金体系ってことだよね」というツイートに象徴されるように、「まさにブラック企業の発想だ」という声が多く聞かれる。

 朝日新聞のまとめによると、ファーストリテイリング社の新卒社員が入社後3年以内に退社した割合(離職率)は、2006年入社組は22%だったが、07年入社組は37%、さらに08〜10年の入社組は46〜53%と高まっており、休職している人のうち42%(店舗勤務の正社員全体の3%にあたる)がうつ病などの精神疾患。「社員を酷使する『ブラック企業』との批判は、こうした中で高まってきた」(同紙)としている。

 24日付の日刊ゲンダイは「ユニクロショックは地獄の始まり 年収100万円時代にのみ込まれる」との見出しで、「弱肉強食の競争社会で富を得るのは、一握りの『勝ち組』のみ。彼らとて『寝てない自慢』だけが喜びで、多くが家庭不和を抱えている。真の幸福とは程遠い暮らしが、『世界同一賃金』でエスカレートしていく」と断じている。

 また、経営者のためのニュースメディア「税金と保険の情報サイト」は、25日の記事で「ユニクロ柳井会長が労働法規無視」と批判。「最低賃金などは、各国の労働法規によって定められている。それぞれの国の物価や生活水準に配慮した金額となっており、これを均一化するのは単純な違法行為」であり、コンプライアンスを無視してまでグローバル化におびえる理由は見当たらない、と指摘している。同記事は「結局、柳井会長兼社長の『グローバル化』はワタミの渡邊美樹会長が語る『夢』と同じく、社員を使い捨てにするための『免罪符』にすぎない」と締めくくられた。

 再び朝日新聞のインタビューを見てみると、「仕事を通じて付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」と主張する柳井氏に対し、記者が「付加価値をつけられなかった人が退職する、場合によってはうつになったりすると」と返すと、「そういうことだと思う。日本人にとっては厳しいかもしれないけれど。でも海外の人は全部、頑張っているわけだ」と応じている。

 こうした直接的な物言いに対し、個人投資家の山本一郎氏は25日の「やまもといちろう 無縫地帯」で、「ユニクロ・柳井正会長はモノの言い方を考えないのか」と、コンプライアンスの面から疑問を呈した。

 これまで、ブラック企業経営者とされる人々は、社会に対して何らかのエクスキューズの幅を持たせる発言をしてきたが、「柳井さんの一連のインタビューは、世間的なイメージとしてのブラック企業・ユニクロを追認するような、苛烈な内容」であり、「ブラック企業そのものの金満体質を隠さず披露するなどというのは社会からの報復も恐れないということであろうか」「同じことを言うにも言い方があるでしょうし、これでブラック企業批判はより一層高まるでしょうね」とまとめている。
 世界同一賃金の導入は、日本企業のグローバル化対応に先鞭をつける妙手となるのか、日本の賃金下落を招き、社員を疲弊させることになるのか。少なくとも、後者を懸念する声が大きいことは間違いないようだ。

http://biz-journal.jp/2013/04/post_2001.html
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まず、上の記事に書かれている柳井氏が言っていることの中でおかしなところを挙げて見ます。

「新興国や途上国にも優秀な社員がいるのに、同じ会社にいても、国が違うから賃金が低いというのは、グローバルに事業を展開しようとする企業ではあり得ない」

有り得ないのは、この人の発想でしょう。まるで自分が世界経済の支配者になったかのような物言いですけど、実際には、国が違えばまず物価が違う。先進国の物価は新興国や途上国よりもずっと高いのを無視しています。
社員をある国で働かせるには、まずその国できちんと生活できるように給料を払わなければならない、それだけの給料を払わなければ、優秀な社員なんて集められません
仮にユニクロの製品は「世界同一価格」だったとしても、人はユニクロ製品だけを買って生きては行けません。
ファーストリテイリングが世界経済を全て支配して、食料もエネルギーも情報も、世界のどこに行っても同じものは同じ価格で買える世の中を実現するまでは、この人の考え方は浮世離れだし、実際にユニクロ製品にしたって、原料を調達して製造する過程で地理的に一旦集約し、それを製品として世界中に配っているのですから、どちらにも運賃という要素が入り込んで、同一価格、同一付加価値を実現するのは不可能なはず。こういうことを言うなら、まず自社製品においてこの矛盾をどう解消するのかと、聞いてみたいものです。

というか、こんな考え方でいるから、物価の安い新興国や途上国では相対的に優秀な人材を集められるけど、物価の高い日本では優秀な人材が入って来ない。だからますます日本人社員の賃金を下げろという発想となる、デススパイラル状態に柳井氏は陥っているものと見受けられます。


「仕事を通じて付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」

そもそもこの人の言う「付加価値」って何なんでしょ。
ユニクロのように製品の企画、製造、販売を行っている企業の場合、途上国と先進国で比べられるのは販売の部分だけ。一部分を切り取って、利益を途上国でのそれと比較して、あれこれ言うのはフェアじゃない。
物価の高い国で商品を売るには、それだけのコストがかかるのだから、同じ値段で売った同じ商品で得られる利益は、物価の安い国に比べて小さくなるのは避けられません。そんなに付加価値が大事なら、そんな国からはさっさと撤退して、低賃金で優秀な人材が集まり、高い付加価値をつけられる途上国での事業に特化すべきなんじゃありませんか?
柳井氏の付加価値論から言えば、物価の高い国で自社の商品を売らせようとする「経営者」柳井氏の判断が間違っているってことであり、その責任を現場の社員に押し付けようとしているのが、この同一賃金構想でしょう。


「そういうこと(付加価値がつけられない人は退職またはうつになる)だと思う。日本人にとっては厳しいかもしれないけれど。でも海外の人は全部、頑張っているわけだ」

そりゃあなたの会社の海外の人は頑張るでしょうね。物価の安い途上国で、日本で暮らす従業員並の賃金を貰えたら、日本人以上に頑張るのは当然じゃありませんか
そして、もっともらしいことを言ってますけど、じゃあ、何であなたの会社では途上国の頑張っている社員の給料を日本人並にしないんですか? と聞いてみたいところ。
そんなに優秀なら、日本人並にまで給料を引き上げて「フラット化」すれば良い。

でも、柳井氏はそんなことをする気はサラサラなさそうですね。

ファーストリテイリングの「頑張っている」「優秀な」途上国の社員も、結局柳井氏からは、日本人の賃下げのための道具としてしか見られていないのです。

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さて、この柳井氏の一連の発言を見て、私が彼の経営者としての能力に疑問が生じたのは以下の点。

彼の言うように、グローバル化が進むことで、日本の勤労者が少数の1億円プレーヤーと大多数の年収100万円層に二極分化したとします。
その時、ユニクロを始めとするファーストリテイリングの事業はどうなるのか考えたことはあるのでしょうか?

衣料品というのは、食料品とは違い、年収が下がれば買い控えられやすい商品です。
年収400万円の人が年収100万になったら、まず新しい衣料品など買わなくなる。
そして、年収1億円の人達は最初からユニクロなんてまず買わない。

つまり、世界同一賃金が本当に正しい考え方で、それが世界中に広まったら、おそらくユニクロの売り上げは激減する、自分の首を絞めてしまうだろうってことです。

おそらく、彼はそんなことには気付いている。だから自社以外でこの「グローバル化」が実行されることは全く望んでいないのです。

結局、彼の「グローバル化」とは自分の会社だけで実行される非常に「ローカル」な施策であり、それを口実に従業員の賃下げを行い、自分達「勝ち組」だけが多額の利益を得る仕組みのことを表している。

彼の言っていることと、本当にやろうとしていることには、このように大きな乖離があるということでしょう。

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