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どうみても嘘もしくは隠蔽(3終) ー 産経の吉田調書報道

(6)何で折角退避した人々を戻したの?

産経の吉田調書報道の中で説明のつかない最大のものは、所員の第二原発への退避が命令違反ではなく、会社・吉田所長の意に添ったものであったとしたら、何でたった数時間で戻したのってことです。

--
15日昼ごろには第2に退避していた多数の人が戻った。

 吉田氏と一緒に現場にとどまったベテランの元所員は「(第1に)残りたいという人ばかりだった。第2までの道は崖崩れの危険があったから、退避した人から『第2に無事に到着した』という連絡があったときには、第1に残った人は『ああよかった』とお互いに喜び合った」と語る。

 別の東電関係者も「当時自家用車で第2へ退避した人も多く、逃げるのであればそのまま避難所にいる家族のもとに行っているはずだ。しかし、彼らは第1へ戻ってきた」と話した。
--

上記のように、記事では「第2に退避していた多数の人が戻った」なんて、まるで自発的に戻ったかのような書き方をしていますけど、そんなことはあり得ませんね。

「第2までの道は崖崩れの危険があった」そうですし、第一原発付近は一番被曝の可能性が高いエリアなのですから、所員が個人の判断で移動できるような状況ではありません。所員が自家用車で第一原発に戻ろうとすれば、必ず止められるはずですし、そんなところに防護服なしで自家用車で戻るなんて行為が許されるはずもありません
また、戻ったのが自発的な行為なら、そもそも「(第1に)残りたいという人ばかりだった。」なら、ほとんどの人が自発的に避難しなかったはずですし、退避した個人が第一原発の状況がどうであるかという情報を個々に得られるはずもないので、自発的に戻るという事象が発生するはずがない。

結論としては、第二原発に退避した人々は、東電の命令で第一原発に戻ったのです。

で、『ああよかった』なら、何で戻したのですかってこと。戻したということは、第二原発への大量退避は東電本社もしくは吉田所長の意とするものとは違っていたということでしょ。

ちなみに、吉田氏は産経の報じている部分において、調書の中で以下のようなことを言っているようです。

--
「考えてみればみんな全面マスクをしているわけです。(第1原発で)何時間も退避していたら死んでしまうよねとなって、2Fに行った方がはるかに正しいと思った」と、全面マスクを外して休息できる第2原発への退避が適切だったと認識を示している。
--

これが本意なら、ろくに休息をとらせないまま、多くの所員を呼び戻したというのは、いかがなものなんでしょうね。こういうのを朝令暮改と言うんじゃありませんか?

それも、第一原発の状況が好転しているという情報でもあれば別ですが、実際には、

--
6:50 正門付近で 500μSv/h を超える線量(583.7μSv/h)を計測したことから,原災法第 15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,7:00 官庁等に通報。
7:00 監視、作業に必要な要員を除き,福島第二へ一時退避することを官庁等に連絡。
8:11 正門付近で 500μSv/h を超える線量(807μSv/h)を計測したことから,原災法第 15 条第1項の規定に基づく特定事象(火災爆発等による放射性物質異常放出)が発生したと判断,8:36 官庁等に通報。
8:25 原子炉建屋5階付近壁より白い煙(湯気らしきもの)があがっていることを確認,9:18 官庁等に連絡。

9:38 4号機の原子炉建屋3階北西コーナー付近より火災が発生していることを確認,9:56 官庁等に連絡。
11:00頃 4号機の原子炉建屋の火災について,当社社員が現場確認をしたところ,自然に火が消えていることを確認,11:45 官庁等に連絡。

16:00 正門で 500μSv/h を超える線量(531.6μSv/h)を計測したことから,原災法第 15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,16:22 官庁等に通報。
23:05 正門付近で 500μSv/h を超える線量(4548μSv/h)を計測したことから,原災法第 15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,23:20 官庁等に通報。


http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110618l.pdf
--

とても退避時よりも状況が良くなったから呼び戻した、なんて言える状況ではありません。
帰って来たって全面マスクを装着しなければならず、「第1原発では乾パンや水しかなく環境は日に日に悪化」しているのを承知で、おそらくほとんどトンボ返りに近い状態で、多数の所員を呼び戻したのですから、吉田氏が自分の判断で命じたなら、「あなたのやっていることは支離滅裂」と言わざるを得ません。

ちなみに、前エントリで紹介した門田隆将という人物は、共同通信の記事の紹介という形ですけど、この退避のくだりを美談仕立てにするために、自身のブログにこんな風に書いています。

--
拙著と同じく、記事はすべて実名証言に基づいている。私は、生前の吉田氏から、この時のことを直接、聞いているので、共同通信が「3・15」をどう書くのか、連載の途中から注目していた。そして、それは予想以上の克明さだった。
〈全員が凍り付いた。圧力容器からの蒸気を冷やす圧力抑制室の気密性がなくなり、高濃度の放射性物質を含んだ蒸気が環境に大量放出される。もう第1原発構内どころか、周辺地域にすら安全な場所はなくなる。最も恐れていた事態だった。
 稲垣が吉田に進言した。
「サプチャンに大穴が開いたと思います。とんでもない量の放射性物質が出てきますよ」
「退避させるぞ」
 吉田は即決した。テレビ会議のマイクのスイッチを入れ、本店に退避を申し出た。必要のない大勢の社員たちをいつ退避させるか吉田はずっとタイミングを計ってきたのだ。今がその時だった。
 ところが約220キロ離れた東京の本店の反応は鈍かった。制御室にある圧力計が故障したのではないかと言う。吉田がキレた。
「そんなこと言ったって、線量が上がってきて、こんな状態で全員いたら、おかしいだろっ!」〉
共同通信のこの詳細な描写に、私は『死の淵を見た男』を取材した当時のことを思い出した。時に涙し、時には震えながら、あの自らの「生」と「死」をかけた闘いの場面を述懐するプラントエンジニアたちの姿を思い出したのだ。
記事は、南に約12キロの位置にある退避先の福島第二原発(2F)の安全を確かめるため、風向きをまず見させてから職員を退避させる吉田所長の姿が描かれている。そして、総務班長はこう指示する。
〈「皆さん、速やかに退避してください。最終目的地は2Fです。免震重要棟近くの路上にバスがあります。とにかく乗れるだけ乗ってください。まず正門の先で線量を測ります。とどまれなければ2Fに行きます」。総務班長はこの後、第2原発に「そちらに行くことになります」と電話を入れた〉
「2Fへの退避ですよ」と仮眠中に叩き起こされ、2Fへ向かった者や、逆に2Fへの退避を命じられても「残ります」と言い張って、命令をきかなかった者、あるいは、2Fへの退避を決めたエンジニアが、「最後に子どもの顔が浮かんだんです。子どものためにも今は死ねないな、と思いました。正直、うしろめたさはありましたが……」と、自らの葛藤を吐露する場面など、長期にわたる取材の深さを感じさせてくれる描写だった。
私は、この記事の中で、「俺は、残る。君は出なさい」「絶対、外で会いましょうね」「分かった」「約束ですよ」……当直長からの退避命令に、そんなやりとりの末に2Fへ去っていく若手プラントエンジニアの証言が印象に残った。
また、退避しながら免震棟を振り返り、「あの中にはまだ人がいる」と涙が止まらなかった人、あるいは2Fの体育館に全員が無事到着したことが報告されると、「おぉ、そうか」と吉田所長が安堵した声で答える場面などが、興味深かった。
これが、朝日新聞が「9割が所長命令に違反して逃げた」と報じる、まさにその場面である。私は、あまりの違いに言葉も出ない。

http://www.kadotaryusho.com/blog/2014/07/post_763.html
--

こうやって美談仕立てで語れば語るほど、その後に起きたこととのギャップが際立ってきます。

「そんなこと言ったって、線量が上がってきて、こんな状態で全員いたら、おかしいだろっ!」

=> そのおかしいことを数時間後に命じたんですよね。

「俺は、残る。君は出なさい」「絶対、外で会いましょうね」「分かった」「約束ですよ」……当直長からの退避命令に、そんなやりとりの末に2Fへ去っていく若手プラントエンジニアの証言が印象に残った。

=> で、わずか半日後に会ったのは外ではなく内だったと。

また、退避しながら免震棟を振り返り、「あの中にはまだ人がいる」と涙が止まらなかった人、あるいは2Fの体育館に全員が無事到着したことが報告されると、「おぉ、そうか」と吉田所長が安堵した声で答える場面などが、興味深かった。

=> その数時間後に「あの中」の人に戻った時の心境を、この人は聞かなかったんでしょうか? そして、吉田氏はその「おぉ、そうか」と答えた後に、どういう心境で「じゃあ戻って」と言ったのか、それは自分の判断なのか本社の命令なのか、この人は聞かなかったのでしょうか? だったら、そんな取材はいくらやっても無駄だし、この人の書くものにもほとんど価値は無いと断ぜざるを得ません。

====================

おそらく、現実に起きていたのはこういうことでしょう。

1 東京電力は3月14日の夜には、第一原発からの全面撤退をするつもりだった。

『14日午後8時16分ごろ、「1F(福島第1)にいる人たちみんな2F(福島第2)に避難するんですよね」』

2 第一原発の所員の間でも第二原発への退避が共通認識となっていた。

『「第1原発にいた所員は、退避するなら第2へという共通認識があった。それが吉田氏の命令違反であるはずがない」』

3 しかし、それを政府に打診したところ強硬な反対を受けた。

『15日午前5時半ごろには、菅直人首相(当時)が東電本店を訪れ、「撤退したら東電は百パーセントつぶれる。逃げてみたって逃げ切れないぞ」と絶叫した。』

4 その前に、吉田氏は全面撤退後も居残り、自分と運命を共にする人を選んでいた。

『この事態になる直前、「一緒に死んでくれる人間の顔を思い浮かべていた」と、1Fに残ってもらう人間を“選別”する吉田所長の思いと姿を、当の吉田さん自身から詳細に聞いている。』

5 ところが、菅氏が東電幹部を叱責している約1時間の間に、2号機の圧力抑制室に穴が開いた。

『6:00~6:10頃 圧力抑制室付近で大きな衝撃音が発生。』

6 菅首相に叱責されていた東電本社は、全面撤退不可を吉田氏に連絡できなかった。

『ところが約220キロ離れた東京の本店の反応は鈍かった。制御室にある圧力計が故障したのではないかと言う。』

7 首相の反対を知らない吉田氏は第二原発への退避を命じた。

『そんなこと言ったって、線量が上がってきて、こんな状態で全員いたら、おかしいだろっ!』

8 9割の所員がバスで第二原発へ退避した。

『7:00 監視、作業に必要な要員を除き,福島第二へ一時退避することを官庁等に連絡。』

9 東電を潰したくない本社は、直ちに所員を現場に戻す事にし、それを命じたが、死地へ戻す理由がつかないので、そもそもの第二原発への退避命令を「勘違い」ということにした。

『吉田氏は「本当は2Fに行けと言っていないんですよ。福島第1の近辺で、所内にかかわらず線量の低いような所に1回退避して次の指示を待てと言ったつもりなんですが」と命令の行き違いがあったことを示唆している。』

10 所員が第二への退避命令が勘違いだったと説明されて、それなら仕方ないと戻った。

『15日昼ごろには第2に退避していた多数の人が戻った。』


どうやって、所員を第一原発に戻らせたのかを考えたら、これが一番、あり得そうな筋書きだと、私は思いますけどね。

********************

5回にわたって、産経の吉田調書報道のうさん臭さを指摘しました。

これだけ矛盾や客観的な事実との齟齬があるのに、ネットではこの産経の報道をもって朝日の捏造なんて書き散らしているおバカさんがウヨウヨいらっしゃるみたいで、本当に頭の痛いことです。

3月15日朝の所員の退避が意図的もしくは勘違いによる「命令違反」であるなら、その後、直ぐに戻されたことも合点が行きますし、ほとんどの所員は仕方ないと思えたことでしょう。
でも、退避が所長の命令によるものだとしたら、この呼び戻しは犯罪的であるとすら言える行為です。

私は、まもなく公開されるらしい調書の中で、もっとも興味を持っているのはこの部分。
退避の時のことではなく、戻った時のこと。
誰の意志で、何故、多数の所員がたった数時間で戻ったのか、そしてそれを所員はどう受け止めたのか、です。

もし、誰の調書にもそのことが全く触れられていないとしたら、その調書は何らかの意図を持って誘導されているか、予め口裏合わせがなされていたかとみなすべきでしょうね。

ただまあ、真相がいずれにあるにしろ、ここまでの情報でも、次の発言は嘘と断定して良さそうですね。

(東電会長)「直接、発電所の運転に関わらない半数の作業員は退去を考えた」

そして、東電本社に乗り込んだ菅さんの行動は正しかったということです。
彼がやらなければ、おそらくあの69人を人柱として、何もできないまま第一原発は大爆発を起こしていたのではないかと思います。

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どうみても嘘もしくは隠蔽(2) ー 産経の吉田調書報道


前エントリの続きです。

(4)これまた語るに落ちる

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当時、現場にいた複数の元所員も産経新聞の取材に「命令違反」を否定した。40代の元所員は「第1原発では乾パンや水しかなく環境は日に日に悪化しており、第1のどこかに待機するというのはありえない」と語る。吉田氏の命令は第2への退避と受け止めたという。別の中堅元所員も「第1原発にいた所員は、退避するなら第2へという共通認識があった。それが吉田氏の命令違反であるはずがない」と証言した。
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「あり得ない」「あるはずがない」、全部推測ですね。
しかも、内容が客観情報と矛盾しています。

少なくとも、吉田氏は第二原発へ退避という命令は下していないと明言しています。それを「第2への退避と受け止めた」なら、結果的に命令違反と言われても致し方なし。確認を怠ったツケというやつです。

また、「環境は日に日に悪化しており、第1のどこかに待機するというのはありえない」なんて言ってますけど、これも後付けで創作した理由であることは明白。だって、第二にいっちゃった人たちはたった半日で戻って来た、即ち、実際にはこの「ありえない」と同じことを東電は選択していたのですから、この人の言っていることはデタラメで確定です。

そして、二人目の自称元所員が言っている内容が本当なら、『誰が逃げるものか』とか『「例えば、(東電)本店から、全員逃げろとか、そういう話は」との質問に「全くない」と明確に否定した。』なんて話も全くの。だって退避するなら第二原発へというのが所員の『共通』認識だったというのですから。
第二原発へ逃げることを誰も考えず誰も口にしていなかったのなら、そんなものが「共通」認識になどなりようがありません。

そして、もし吉田氏がそういう指示をしていたなら、「直接、発電所の運転に関わらない半数の作業員は退去を考えた」という東電本社の意向を、吉田氏は無視したということで確定するということです。

(5)69人で何ができたの?

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 当時、第1原発にとどまったのは吉田氏ら69人。
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まあ、この69人がどんな思いだったのか、おそらくは死を覚悟していたのではないかと思うと、批判的なことは言いづらいものがあります。
しかし、それを隠れ蓑にして、東電や自民党、そして原子力ムラの行動を正当化しようとするのが産経のやり口である以上、指摘すべき事は指摘しておかなくてはなりません。

福島第一原発では常時数千人の人々が働いていました。
普通、トラブルに対処しようと思えば、通常時よりも多くの人手が必要というのは常識ですが、さて、常態よりも二桁少ない人数で、東電は何をするつもりだったのでしょうか?

答えは、何もする気はなかった。

モニタリングだけは続けながら、ただ運を天に任せ、大爆発のようなことが起こらないことを祈りながら、人を呼び戻せる状況になるまで自然に沈静化してくれるのを待っていただけです。
現実に、この3月15日の午前中は能動的に何をしたという報告は無く、例えば4号機では火災が発生したのに、まあ、69人しかいないのですから、当然の話なのですが、それが自然鎮火するまで何もしていません。

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9:38 4号機の原子炉建屋3階北西コーナー付近より火災が発生していることを確認,9:56 官庁等に連絡。
11:00頃 4号機の原子炉建屋の火災について,当社社員が現場確認をしたところ,自然に火が消えていることを確認,11:45 官庁等に連絡。


http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110618l.pdf
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つまり、火災が起きてもギブアップするしかない人数しか第一原発には残していなかったのです。

では、この69人は何のために残ったのでしょうか?

それは「人柱」のためでしょう。

東電としては、もう全面撤退をするしかないと思っていたけど、菅さんに反対され、かつ「東電が潰れても仕方ない。従業員を退避させ、後は運を天に任せる。」開き直る気概も無かったので、「全面撤退はしていません」とのアリバイを作るために残す人が必要だった、それがこの69人だったということです。

ちなみに、朝日の吉田調書報道に噛み付いている門田隆将という人物がいます。
この人、朝日憎しのあまりか、東電からいくらもらったか知りませんけど、この時の東電の対応を美談仕立てにした文章をいくつも書いているようです。
で、最新のオフィシャルブログにはこんなことを書いている。

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この場面は、私が吉田所長以下、90名近い現場の人たちに取材して書いた拙著『死の淵を見た男』のヤマ場でもある。私は、この事態になる直前、「一緒に死んでくれる人間の顔を思い浮かべていた」と、1Fに残ってもらう人間を“選別”する吉田所長の思いと姿を、当の吉田さん自身から詳細に聞いている。

http://www.kadotaryusho.com/blog/2014/08/post_766.html
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これが語るに落ちるになっていることに気がついていないらしいのが滑稽ですね。

吉田所長は「事態を収束させるのに必要な最小限の人間」を選別したのではなく「一緒に死んでくれる人間」を選別した。つまり、ギブアップする前提で人柱を選んだのであり、そんな人間を現場に残したところで、事態の収束を望んでいた圧倒的多数の国民からみれば、それは東電が第一原発から「全面撤退」したことに他ならない、ということ。

美談仕立てに熱心になるあまり、東電会長がどんな嘘を吐いていたかも忘れて、東電が全面撤退しようとし、火災が起きても自然鎮火に任せるしかない状態、即ち「人柱」だけ残した実質的な全面撤退をやっていたことを、この人は自らの取材の結果として吹聴しているのです。

まあ、「90名近い現場の人たちに取材して書いた」って、その人たちが自分の行動を正当化するために正直には答えないなんて容易に想像できること。この人、慰安婦問題でも朝日を貶めていますけど、慰安婦の証言を信用しないクセに、福島第一原発の「現場の人たち」の言うことは、客観的事実と齟齬があっても無批判に信じているらしいあたり、信用ならない人物と言って差しつかえなさそうです。

********************

次エントリで、この報道への最大の疑問について書いて、一連のエントリを締める予定です。

どうみても嘘もしくは隠蔽(1) ー 産経の吉田調書報道


前エントリのネタと同じ記事にある、明らかな嘘もしくは事実の隠蔽を示しておきます。

(1)音声は聞こえないはずでは?

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 15日午前5時半ごろには、菅直人首相(当時)が東電本店を訪れ、「撤退したら東電は百パーセントつぶれる。逃げてみたって逃げ切れないぞ」と絶叫した。このとき、テレビ会議映像を見た元所員は「誰が逃げるものか」と反発を覚えたと振り返る。
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この「自称」元所員は超能力者なのでしょうか。
「映像を見た」だけじゃ、菅氏が何を言ったかなんてわからないはずなのですけどね。

で、菅氏はこの時に別に福島第一原発に行った訳ではない。
東電の本社に行っただけで第一原発と会議をやるつもはないのですから、第一原発で、本社会議室でのやりとりが何もせずに聞こえるはずもない。
そして、百歩譲って、何らかのきっかけで音声を盗み聞きしたとしましょう。でも、「反発を覚えた」というほど強く印象に残っているなら、何故、それを記録しておかなかったのか。この人の言っている事と産経の記事は非常に不自然です。
ま、産経らしいのが、「菅氏の発言を聞いた」と創作するのを忘れて、つい「映像を見た」と本当のことを書いてしまったことでしょう。

結論としては、この「自称」元所員は菅氏の言葉など聞いていない。反発を覚えたのは後のことであり、現在、この「自称」元所員か産経あるいはその両方が嘘を吐いているということです。

本来、この話は東電が音声記録をきちんと提示すれば、真相はほとんどわかること。
それをあえて削除しているんですから、そこには産経や東電にとって都合の悪いことが記録されていたと考えるのが自然です

ところで、この自称元所員は「誰が逃げるものか」と言ってますけど、誰が」どころか実際には所員の9割が逃げたことこそ事実なんですけどね。実は、この人も逃げていたりして。


(2)それは後知恵

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調書で吉田氏は「考えてみればみんな全面マスクをしているわけです。(第1原発で)何時間も退避していたら死んでしまうよねとなって、2Fに行った方がはるかに正しいと思った」と、全面マスクを外して休息できる第2原発への退避が適切だったと認識を示している。
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第二原発へ退避した方が良かったとその後認識したとしても、当時、吉田所長がそれを指示しなかったのは、吉田氏によれば事実。よって、所員の大半が吉田氏の意に反した行動を取ったのも事実。そこには所員の命令違反、もしくは意図的か誤解によるものかはわかりませんが正しくない命令を所員に伝えた者がどこかに居る。

朝日の「命令違反」はその点を指摘しているのに対し、産経の記事はその客観的な事実を隠蔽しています。

吉田氏にしても、自分が指示していないことなのに「結果オーライ」だから良かったなんてことを言うのは、責任者としては不適切な発言ですね。


(3)原因と結果のすり替え

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菅氏らが「第1原発からの撤退」との疑心暗鬼にとらわれていたことを問われると、吉田氏は「現実として逃げていない」と否定した。
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典型的な原因と結果のすり替え。

菅氏に反対されたから「最低限の人間は逃げられなかった」のであり、「現実として全面撤退は検討された」ことは記録に残っており、それを聞いた菅氏が止めさせたことこと事実

こういうことを言うことで「否定」できると吉田氏自身が思っていたなら、彼の言葉を借りるなら、「あのおっさんがそんなのを発言する権利」などないってことです。

*******************

あまりにもネタが多いので続きは分けます。

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どうみても矛盾 ー 産経の吉田調書報道

前エントリに続く産経の吉田調書報道です。

産経は、命令違反ではない、逃げる気はなかったと、東電を一生懸命擁護していますけど、客観的事実は、どう足掻いても覆すことができないので、記事の中で「語るに落ちる」をやってしまっているのが、何とも滑稽です。

--
吉田調書 元所員「誰が逃げるものか」菅元首相の絶叫に反発

「退避するなら第2」共通の認識

 17日に判明した政府事故調の「吉田調書」。その文面から、東京電力福島第1原発にいた所員らの9割が10キロ南の福島第2原発に一時退避したことを、吉田昌郎所長(当時、平成25年7月9日死去)が「正しかった」と認識していたことが分かる。朝日新聞は5月20日付朝刊で、吉田調書に基づき「所員らは吉田氏の待機命令に違反し、第2原発へ撤退」と報じたが、第1原発の複数の元所員は産経新聞の取材に「命令違反でない」と明言する。吉田調書と関係者の証言から経緯を追った。(原子力取材班)

 ◆所員の危害懸念

 第1原発所員が第2原発へ退避したのは、東日本大震災4日後の23年3月15日午前7時ごろ。第1は最大の危機を迎えていた。

 前日の14日夜には、第1原発2号機への注水に使っていた消防車が燃料切れで動かなくなったことで、原子炉格納容器が壊れ、多数の所員に危害が生じることが懸念された。

 テレビ会議映像では、当時東電本店(東京都千代田区)にいた幹部が14日午後8時16分ごろ、「1F(福島第1)にいる人たちみんな2F(福島第2)に避難するんですよね」と発言。緊急時対策室を第2へ移す検討を始めていたことが分かっている。

 15日午前5時半ごろには、菅直人首相(当時)が東電本店を訪れ、「撤退したら東電は百パーセントつぶれる。逃げてみたって逃げ切れないぞ」と絶叫した。このとき、テレビ会議映像を見た元所員は「誰が逃げるものか」と反発を覚えたと振り返る。

 ◆第1の環境悪化

 午前6時14分ごろ、2号機の方向から爆発のような音が聞こえ、原子炉圧力抑制室の圧力がゼロになったという報告が入った。格納容器破壊の懸念が現実味を帯び、複数の元所員によると、吉田氏は「各班は最少人数を残して退避」と命じ、班長に残る人員を決めるように指示、約650人が第2原発へ退避した。

 調書によると、吉田氏は「本当は2Fに行けと言っていないんですよ。福島第1の近辺で、所内にかかわらず線量の低いような所に1回退避して次の指示を待てと言ったつもりなんですが」と命令の行き違いがあったことを示唆している。朝日新聞は、吉田氏のこの発言などから「命令違反」と報じたとみられる。

 しかし、調書で吉田氏は「考えてみればみんな全面マスクをしているわけです。(第1原発で)何時間も退避していたら死んでしまうよねとなって、2Fに行った方がはるかに正しいと思った」と、全面マスクを外して休息できる第2原発への退避が適切だったと認識を示している。菅氏らが「第1原発からの撤退」との疑心暗鬼にとらわれていたことを問われると、吉田氏は「現実として逃げていない」と否定した。

 当時、現場にいた複数の元所員も産経新聞の取材に「命令違反」を否定した。40代の元所員は「第1原発では乾パンや水しかなく環境は日に日に悪化しており、第1のどこかに待機するというのはありえない」と語る。吉田氏の命令は第2への退避と受け止めたという。別の中堅元所員も「第1原発にいた所員は、退避するなら第2へという共通認識があった。それが吉田氏の命令違反であるはずがない」と証言した。

 ◆無事到着に安堵

 当時、第1原発にとどまったのは吉田氏ら69人。15日昼ごろには第2に退避していた多数の人が戻った。

 吉田氏と一緒に現場にとどまったベテランの元所員は「(第1に)残りたいという人ばかりだった。第2までの道は崖崩れの危険があったから、退避した人から『第2に無事に到着した』という連絡があったときには、第1に残った人は『ああよかった』とお互いに喜び合った」と語る。

 別の東電関係者も「当時自家用車で第2へ退避した人も多く、逃げるのであればそのまま避難所にいる家族のもとに行っているはずだ。しかし、彼らは第1へ戻ってきた」と話した。

http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/140818/evt14081811020012-n1.html
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この記事の中に、一体全体、いくつの矛盾や嘘が含まれているでしょうか。


(1)東電会長の記者会見との矛盾

これは以前に紹介済みですが、産経は、菅氏を貶めるために、かつてこんな記事を書いていました。

--
東電撤退も誤解

 3月14日夜、2号機原子炉の破損を懸念した吉田所長が東電本店に「必要な人員を残して作業員を敷地外へ退避させるべきだ」と相談した際にも、「伝言ゲーム」の過程で誤解が生じた。

 これを官邸側は「東電が全面撤退」と受け取り、菅氏は15日午前4時ごろに清水正孝社長を官邸に呼び出した。清水社長は「そんなことは考えていない」と明確に否定したが菅氏は納得せず、午前5時半ごろに東電本店に乗り込み、再び怒鳴り散らす。

 「いったい、どうなっているんだ! あなたたちしかいないでしょ。撤退などありえない。撤退すれば東電は百パーセントつぶれる」

 このとき、菅氏は大勢の東電社員が徹夜で作業を続けていたオペレーションルームを会議室と勘違いし、こんな怒声も上げた。

 「こんなにいっぱい人がいるところじゃ、物事は何も決まらないんだ。何をしているんだ!」

 その場は同席者が何とか収め、菅氏を別部屋に案内したが、菅氏は結局3時間11分も居座り作業を邪魔した。このときも、菅氏周辺から「全面撤退を菅さんが体を張って止めた」「菅さんが首相でよかった」などという情報、コメントがまことしやかに流された。


だが、東電の勝俣恒久会長は3月30日の記者会見で明確にこう否定している。

 「施設にいた800人を超える職員のうち、直接、発電所の運転に関わらない半数の作業員は退去を考えたが、全員を退去させるということは決してなかった」


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120108/plc12010803130003-n2.htm
--

前エントリでも指摘したことですけど、東電本社と吉田氏の意思疎通が完璧であってこそ、吉田氏が全面撤退など考えなかったという余地が生ずるのですが、このように、東電会長の言っていることと、吉田氏の言っていることは全く違う

--
『以前の記事』
(東電会長)「直接、発電所の運転に関わらない半数の作業員は退去を考えた」
--
『今回の記事』
吉田氏は「各班は最少人数を残して退避」と命じ、班長に残る人員を決めるように指示、約650人が第2原発へ退避した。
--

半数の退去を考えただけなのに、何で9割の人員が退避してしまったのでしょうね。

噓吐きや命令違反者を最低限に絞るなら、考えられる原因は3つ

1 本社は半数と指示し、吉田所長もそのつもりだったが、所員の9割が勝手に退避した。(所員の命令違反)
2 本社は半数と指示したが、吉田所長が9割を退避させるよう命じた。(吉田所長の命令違反)
3 本社は9割の所員の退避を指示し、吉田所長もそのように指示して所員は退避した。(会長の嘘)

でもおそらく実際に起きたのは、この3の派生形として

4 本社は全面撤退を官邸に打診したが首相に怒られて、何も指示できなかった。吉田所長は、前夜の本社とのやり取りに基づいて、全面撤退の手順を検討し、最後に退避する1割の所員を持ち場に就かせて、9割の所員はいつでも移動できるように準備させていたが、明確な指示を出さないうちに、9割の所員は退避してしまった。ところが全面撤退が認められなかったことが後からわかって、これはまずいと呼び戻した。

というものでしょうね。

9割の所員がいなくなるというのは、予め、最後まで残る者を決めておかなければできないことですから、逃げた所員も勝手に持ち場を離れたわけではないはず。第2原発に向かった9割の所員は、残りの1割の所員も後からやってくるものと思って移動したのでしょう。
ですから「命令違反」とまで言うのは少し違うと言える余地はあるのでしょう。でも、東電会長が半数と言ったことになっているのに、なぜ9割もの所員がいなくなってしまったのかを説明するには、どこかで「命令違反」があったことにしないと説明がつかなくなってしまった、そういうことだと思います。

(2)前エントリで紹介した記事との矛盾

これは単純な語るに落ちるですが、前エントリで引用した記事には、

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吉田氏は「『撤退』みたいな言葉は、菅氏が言ったのか、誰が言ったのか知りませんけれども、そんな言葉を使うわけがない」などと、菅氏を批判している。
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となってますけど、上の記事でははっきり

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「1F(福島第1)にいる人たちみんな2F(福島第2)に避難するんですよね」と発言。緊急時対策室を第2へ移す検討を始めていたことが分かっている。
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「みんな」と書いてますね。

産経もさすがにこれはまずいとわかっているので、「1F(福島第1)にいる人たちみんな」と書かれているのに、「緊急時対策室」なんて、勝手に付け加えて誤摩化そうとしています。
もし、これが本当なら、その「緊急時対策室」に居たであろう吉田所長などの幹部は、現場の人間を置き去りにして、第2原発に逃げようとしていたということになるんですけど、目先の誤摩化しに精一杯で、産経はそこまで頭が回らないようです。

続きます。

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どうみても意図的なリーク ー 産経の吉田調書報道


3ヶ月ほど前に朝日新聞が、福島第一原発事故発生時の所長だった吉田氏から聴き取りをした調書の内容を報じ、その中で多くの所員が命令を無視して福島第二原発に逃げてしまっていたことを明らかにしました。

で、この調書はいまだに非公開扱いなのですが、今度は産経がそれを手に入れたとして、思いっきり原子力ムラの連中を擁護するばかりか、飽きもせず、当時の菅首相を攻撃する卑劣な記事を何本も書いています。

ところが、もともとの事実が産経の思惑とは正反対なので、矛盾と自作自演のオンパレードとなっています。

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2014.8.18 08:00
吉田調書 「全面撤退」明確に否定 福島第1原発事故

 平成23年3月の東京電力福島第1原発事故に関し、産経新聞は17日、政府の事故調査・検証委員会が事故発生時に所長として対応に当たった吉田昌郎氏(25年7月9日死去)に聞き取り調査してまとめた「聴取結果書」(吉田調書)を入手した。吉田氏は東電が事故発生3日後の14日から15日にかけて第1原発から「全面撤退」しようとしていたとする菅直人首相(当時)らの主張を強く否定し、官邸からの電話指示が混乱を招いた実態を証言している。吉田氏は一方で、現場にとどまった所員には感謝を示すなど、極限状態での手探りの事故対応の様子を生々しく語っている。

 吉田氏への聴取は23年7月から11月にかけ、事故収束作業の拠点であるサッカー施設「Jヴィレッジ」と第1原発免震重要棟で計13回、延べ27時間以上にわたり行われた。吉田調書はA4判で約400ページに及ぶ。

 それによると、吉田氏は聴取担当者の「例えば、(東電)本店から、全員逃げろとか、そういう話は」との質問に「全くない」と明確に否定した。細野豪志首相補佐官(当時)に事前に電話し「(事務関係者ら)関係ない人は退避させる必要があると私は考えています。今、そういう準備もしています」と話したことも明かした。

 特に、東電の全面撤退を疑い、15日早朝に東電本店に乗り込んで「撤退したら東電は百パーセント潰れる」と怒鳴った菅氏に対する評価は手厳しい。吉田氏は「『撤退』みたいな言葉は、菅氏が言ったのか、誰が言ったのか知りませんけれども、そんな言葉を使うわけがない」などと、菅氏を批判している。

 朝日新聞は、吉田調書を基に5月20日付朝刊で「所長命令に違反 原発撤退」「福島第1 所員の9割」と書き、23年3月15日朝に第1原発にいた所員の9割に当たる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第2原発へ撤退していたと指摘している。

 ところが実際に調書を読むと、吉田氏は「伝言ゲーム」による指示の混乱について語ってはいるが、所員らが自身の命令に反して撤退したとの認識は示していない。

 また、「退避」は指示しているものの「待機」を命じてはいない。反対に質問者が「すぐに何かをしなければいけないという人以外はとりあえず一旦」と尋ねると、吉田氏が「2F(第2原発)とか、そういうところに退避していただく」と答える場面は出てくる。


http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/140818/plt14081808000001-n1.html
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そもそも、全面撤退を吉田所長が言ったなんて話は誰も言っていない。その時点でこの記事は自作自演ということが明白。
だから、吉田所長が「そんな言葉を使うわけがない」などと言っても、何の意味もありません。

全面撤退を首相官邸に打診したのは東電の本社であり、それに対して菅氏が本社に乗り込んで止めさせただけのこと。
そのあたりの経緯を吉田所長は直接見聞きできる状況になかったのですから、この「吉田調書」をもって『「全面撤退」明確に否定』なんて見出しをつけること自体、本来は不可能です。

にも関わらずそれをやっている時点で、産経のこの記事が事実に基づかない、プロパガンダをばらまくためのものだということは、明白ということです。

で、朝日の報道の時には、吉田所長の「上申書」なんてものまで持ち出して、政府はその報道を批判していたのに、産経のそれは見事にスルー。

この「リーク」が誰の意図によってなされたのかがはっきりわかります。

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裏切ったのはあなた方が先では? ー ロッテホテル問題

先月、ソウルで自衛隊創設記念パーティー開催をロッテホテルがキャンセルした事件がありました。


【外信コラム】韓国の反日報道におじけづく…歴史忘れたロッテの「裏切り」

 ソウルの中心街にあるロッテ・ホテルは韓国最大のホテルといっていいが、同じ場所には日本統治時代の戦前、唯一の本格的な洋式ホテルだった「半島ホテル」があった。戦後、韓国の国営ホテルになり筆者も1971年の初訪韓の際、泊まっている。

 後に在日韓国人系のロッテ・グループが買い入れ79年、新築のロッテ・ホテルを建てた。実質的には日本系みたいなもので、日本人客に人気のホテルとして知られる。オーナーの辛格浩会長(91)=日本名・重光武雄=は日本でチューインガムから始め財をなした立志伝の人で日本の政財界とも関係が深い。

 そんな日本との深い縁もあって歴代首相をはじめ日本の政財界要人はほとんどロッテ・ホテルに泊まり、日本関係の行事開催も多かった。ところが今週、日本政府恒例の外交行事である自衛隊創設記念パーティー開催を直前に断ってきた。韓国マスコミの反日報道におじけづいたためだ。

 外国公館の公式外交行事にまでイチャモンをつける韓国マスコミの非常識は相変わらずだが、それに乗っかったロッテの態度もひどい。これはロッテ自らの歴史を忘れた「日本への裏切り」といっていいだろう。日本で高まる反韓感情の原因はこういうところにある。重光会長はご存じなのだろうか。(黒田勝弘「ソウルからヨボセヨ」)

http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/140712/wor14071208560006-n1.html
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まあ確かに、一度受けたものを一方的にキャンセルするというのは、客商売としてはやってはならないことだし、ロッテホテルが批判されても仕方ないところではあるでしょう。
ただ、以前、日教組の集会をキャンセルして、裁判所の命令まで無視したプリンスホテルの事例もありますから、果たして日本にこういうことを言う資格があるのかって疑問もありますけど。

それにしても、「裏切り」って何なんでしょうね。
産経にしてみると、ロッテホテルは「実質的には日本系」として扱ってやっていたのに、肝心な時に、日本を裏切りやがったってことでしょうか。

近年ではことあるごとに在日特権が何だかんだと難癖をつける、即ち、先に裏切っておきながら、こんな時には『ロッテ自らの歴史を忘れた「日本への裏切り」』とは、御都合主義にもほどがあるし、何よりも、在日韓国人を日本人の手先としてしか扱おうとしない、その傲慢さには吐き気を催します。

自称保守ってのは、結局こんな連中ばっかりってことです。

まあそもそも、そんなくだらない名目のパーティーなんて開いて我々の税金を無駄遣いしていたことの方が、問題だと私は思いますけど。

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リスクは最低限にするのが基本じゃないの? ー 福島

政府が修学旅行生を福島に行かせて「風評被害の払拭」を図るなどということを考えているようで、それに対して室井佑月氏が週刊朝日に次のような文章を書いて批判しています。

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室井佑月「なぜ子どもをわざわざ福島へ連れていかなきゃいけないの?」
(更新 2014/7/11 16:00)

 原発事故の影響や集団的自衛権など国内でも、多くの問題を抱える日本。作家の室井佑月氏は「今の大人たちのやるべきこと」ができていないと憤慨する。

*  *  *
 テレビを観ていて仰(の)け反(ぞ)ってしまったよ。あたしが観たのはテレ朝のニュース。ニュースではこういっていた。

「原発事故による風評被害の払拭に向け、政府は、修学旅行先として福島のモデルコースを設定し、全国の学校に提案することなどの強化策をまとめました」

 起きたまま夢を見てしまったかと思った。だが、違った。その後、6月24日付の毎日新聞の朝刊に、「復興庁 風評対策で強化指針 『美味しんぼ』問題受け」というおなじ内容の記事が載っていたもん。

 福島県では子どもたちに甲状腺の検査を受けさせ、2次検査で穿刺(せんし)吸引細胞診を受けた子どものうち90人が悪性または悪性疑いとなり、51人が摘出手術を実施し、50人が甲状腺がん確定となったという。

 このことについて福島県は、過剰診断じゃないかといっているが、「被曝影響の解明の仕方については今後、検討する」ともいっている。

 つまり、放射能の影響かどうかまだわからないといっている。

 あたしはなぜ、全国の子どもたちをわざわざ福島へ連れていかなきゃいけないのか理解できない。

 逆じゃないの? 福島の子どもたちを、被曝の影響があるかどうかまだわからない場所から、一時でも避難させたほうがいいのでは……そういう考えになぜならない?

 事故当時よりはずいぶんマシになったとはいえ、まだ汚染水は漏れているし、まだ放射性物質も漏れている。そして、一歩間違えばさらなる大事故につながるといわれている燃料取り出し作業をしている最中だ。

 政府は福島へいって(住んで)「大丈夫」という人間が増えれば、それが真実だっていいたいのか。

 だとすれば、健康被害を受けたといっている少人数の人間は、嘘をついていることになるのか。大丈夫じゃなかった人には、大丈夫じゃなかったということが真実だろう。

 政府の意見が正しいことの証明に、子どもを使うのはやめてくれないかな。大丈夫であることの証明に、子どもを使うって野蛮すぎる。

 大丈夫じゃなかった人たちはなぜそうなったのか……そこの部分の追及・解明に命をかけることこそ、今の大人のやるべきことだとあたしは思う。

 集団的自衛権に対してもそうだよ。日本の若者も血を流さないと?

 まず先に、どうすれば日本の若者が血を流さずにすむのか。そこに命をかけることこそ、今の大人が頑張ることだろ。

 そういえば集団的自衛権の閣議決定案には、公明党の意向を踏まえ、

「紛争が生じた場合にはこれを平和的に解決するために最大限の外交努力を尽くすとともに(中略)」

 という文が新たに明記されたとか。そんなこと当たり前だと思っていたが、当たり前のことが当たり前でなかったりするから。

※週刊朝日  2014年7月18日号


http://dot.asahi.com/wa/2014070900123.html
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氏のおっしゃる通りですね。
なんでわざわざ子供をリスクにさらさなければならないのか。
こんなことを考えた人間は、私から見れば犯罪者に等しいと思います。

だいたい、「風評被害の払拭」を本当に考えているなら、何で修学旅行生を福島に送り込まなければならないんでしょう。
修学旅行生が福島に行ったって、放射能の影響で健康被害が生じているという推論を覆す意味などどこにもないはずなんですから。
本当に福島が危険だという命題が事実と異なる「風評」だと言うなら、福島に住み続けている人が他の地域に住む人々と同じように健康であると言えるデータを示し、かつ、少なくとも人が生活しているエリアの放射能は、やはり他の都道府県と同レベルであると言えるデータを示すことです。
短期の滞在しかしない、修学旅行生を送り込んでも何の意味も為しません。

となると、政府の狙いは放射能の影響を受けた人を全国にバラまいて、福島も他の地域と変わらない、という状況を作り出そうとしているのではないかと疑わざるを得ない。
自分たちの権力を維持するために、全国の若者に、意図的に健康被害を及ぼそうとするようなことをしようとしているというのも、本来なら荒唐無稽と一笑に付されるものでしょうけど、安倍政権だとあり得る話だと思えてくるのが恐いところです。

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