プロフィール

白砂青松0715

Author:白砂青松0715
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

あまりにも無知なファイナンシャルプランナー3 ー ビッグマック指数


このタイトルの1で中嶋よしふみという自称ファイナンシャルプランナーが、頓珍漢なマクドナルドへの賃上げデモ批判を繰り広げていることを紹介しました。

そのコメント欄に、生半可な知識で無謀にもビッグマック指数なんてものを持ち込んで来た人がいたので、おそらくこの中嶋という筆者はビッグマック指数なんてものを持ち込むと、自説に都合が悪いからわかっていて書かないのだろうという趣旨のコメントを私が書きました。

ところがこの人、別の記事では自分からビッグマック指数のことを書いていたんですね。全然意味の無い使い方でしたけど。

--
なぜスイスのマクドナルドは時給2000円を払えるのか? (中嶋よしふみ SCOL編集長)
2015年04月29日 09:19


http://sharescafe.net/44507403-20150429.html

先日、ファストフード店の時給を1500円以上にあげるべき、というデモが行われた。

デモの根拠として、「ドコの国は時給が○○円だから日本でも1500円は可能」という意見も散見された。国名は人によって異なるが、アメリカ、オーストラリアなどの国がいくつか挙げられていた。果たしてこの意見は正しいのだろうか。

結論を先に言ってしまえば100%間違いである事は議論の余地もない。物価水準が異なり、なにより豊かさの水準が異なるからだ。ただ、このような指摘はファストフード店の非正規雇用者にとどまらず、なぜ日本人の所得は下がっているのかを考えるきっかけとなりうる。

■ビッグマック指数とは?
購買力平価(こうばいりょくへいか)という考え方がある。簡単に説明すると世界各国の物価水準は摩擦が無く貿易されれば同じ物なら同じ価格になるように為替水準は調整されるはず、という理論だ。

そして世界中で売られているマクドナルドのビックマックを基準に購買力平価を計算したものが「ビックマック指数」だ。ただし、同じ商品であっても国ごとに原価が違うので半分くらいは冗談も含んだ「雑な指標」という事になってしまうが、マクドナルドの賃金を考えるのなら多少は参考になるだろう。

日本で時給1500円が可能という根拠として、以下のような国が挙げられていた。

アメリカ、オーストラリア、ドイツ、スイス、ルクセンブルク、ノルウェー

実際、アメリカのマクドナルドは給料の引き上げにより平均時給が10ドルになったと先日報道された。今の為替水準ならば1200円くらいになる。地域によって最低賃金はもっと高く引き上げられる場所もあるようだ。アメリカ以外でも最低賃金が今の為替水準で1500円以上の国もあり、スイスにいたってはマックの店員は時給で2000円も貰っているという。

■世界各国のビックマック価格
では日本とこれらの国をビックマック指数で比較するとどうなるか。以下の一覧は2015年1月時点で円換算した際の価格だ(1ドル117.77円 56か国)。
1位 スイス      888円 2.4倍
2位 ノルウェー    742円 2.01倍
6位 アメリカ     564円 1.52倍
15位 オーストラリア 509円 1.38倍
18位 ドイツ      501円 1.35倍
38位 日本       370円 
※ルクセンブルクは調査対象外
(世界のビッグマック価格ランキング 世界経済のネタ帳)

いずれの国も日本より随分高い。スイスは世界一物価が高い国として知られるが、日本の2倍以上とかなりの高水準だ。これらの数字を見れば、賃金格差の大きな原因として価格差、つまり物価の差がまずはあげられる。これだけ価格差があれば賃金格差も当然という事だ。

--

一体全体、何が「当然」なんでしょうね。

ビッグマック指数から言えるのは、『これだけ価格差があれば賃金格差も当然という事だ』ではなく、『これだけ賃金格差があれば価格差も当然という事だ』でしょ。

だから話が全然なんですって。こんなこともわからないんでしょうか、この自称ファイナンシャルプランナーさんは。
こんなものを持ち出したって、『100%間違いである事は議論の余地もない。物価水準が異なり、なにより豊かさの水準が異なるからだ』なんてことは、全く言えません。

実は、ビッグマック指数ではない、一般的な購買力平価といわれるもので調整してみると、スイスやノルウェーも500円台、オーストラリアは400円程度になります。
一方、時給が2000円と仮定すると、これを購買力平価で調整すると、スイスやノルウェーは1300円台、オーストラリアは1500円になります。
スイスやノルウェーは日本と比べると、ビッグマックの価格は4割高いですけど、賃金は5割以上高い、オーストラリアは、価格は1割高くて賃金は7割高い

どうみても、ビッグマックの値段に対して日本の賃金が安すぎるという結論にしかなりません。

そしてこの筆者は、スイスの時給が高いことを一人当たりのGDPが高いことで正当化しようとしていますけど、これはほとんど関係ない話でしょう。
GDPとは、国単位でどれだけの付加価値を産み出せたかという指標であって、必ずしもそれは労働者の賃金に反映されるような働きに応じたものだけではないし、物価水準を示したものでもない。
この人は自分で『これだけ価格差があれば賃金格差も当然という事だ』と言ったことをすっかり忘れているようです。

--
■時給900円で1500円分の仕事をやらされている?
給料を上げろというデモが起きた背景に、仕事と賃金のバランスが崩れてきたことがあげられるだろう。年々増加する非正規雇用者の割合を考えれば、社員が担っていた業務をアルバイトが行う事もすでに珍しい事ではない。

同一労働・同一賃金が実現していない日本で、非正規雇用者の増加とはつまり賃金の低下だ。なぜこんな事が起きるのか。それは経済がほとんど成長していないのに年金・医療など社会保障費の支出が毎年増え続けているからだ。帳尻を合わせるには誰かがワリを食う以外にやりくりする方法は無い。

過去に景気が好調な時でも「景気回復を実感できない」と繰り返し言われてきたが、それもなんらおかしい事ではない。1%や2%程度の成長では現状維持がやっと、というほど日本は高コスト体質になっている。これらのひずみが若者と非正規雇用者に集中している。

--

で、スイスやノルウェーやオーストラリアの店員と日本の店員で、そんなに仕事の内容が違っているかと言えば、そんなはずはない。
時給900円で1500円分の仕事をやらされているのが、日本のマクドナルドで働く非正規労働者です。

この筆者は、「社員が担っていた業務をアルバイトが行う事もすでに珍しい事ではない」という認識を示しながら、賃上げできるはずという指摘に対しては、「結論を先に言ってしまえば100%間違いである事は議論の余地もない」と断定し、その主張の理由として「帳尻を合わせるには誰かがワリを食う以外にやりくりする方法は無い」と言う。
こんな主張が正しいなら、労働者が賃上げを要求するのは全て「100%間違い」と言えてしまう。それは「誰かがワリを食う以外にやりくりする方法は無い」と言えば、それで正当化できてしまうのですから。

そして、そもそもこの人は、前に紹介した記事ではこれだけ賃上げをしたら、経営者は『時給が高くなれば機械でやろうという事になる』と言っていたはず。
スイスやノルウェーのマクドナルドなんて、とっくの昔に機械化されていなければおかしいじゃありませんか。それこそ機械なんて自国で作る必要は全くない、日本とスイスやノルウェーで調達価格にそんなに差が出るものではありませんから、これらの国は機械化して、もっと安い値段でビッグマックと提供しているはずです

でも、現実はそうなっていない。つまり、この筆者が言っていた『時給が高くなれば機械でやろうという事になる』デタラメということです。

--
仕事がきつくなっているのに賃金が増えなければ実質的な所得の低下ともいえるが、それも株主や経営者が搾取しているせいではなく、国全体が高コストで貧乏になっている事が強く影響している。同じ仕事内容でも発展途上国なら時給で1ドル、日本なら10ドル、北欧なら20ドルという事はあるだろう。この賃金格差は経済格差、豊かさの格差としか言いようがない。

経営者の報酬をゼロにしてもアルバイトの時給は1%も増やせない。「マクドナルドの原価を調べて見た」でも書いた通り、現在のマックは店舗の人件費が1割増えただけで粗利が消える。株主への還元を辞めれば資金の出し手がいなくなる。結局給料を上げる方法は経済を成長させる事、という以外に解決策はない。

--

いや、これは経営者や株主による搾取と言って良いでしょうね。
この人は経営者による搾取を「経営者の報酬」に矮小化していますけど、経営者による搾取とは、労働者の産み出した付加価値を安売りすることです。

即ち、労働者に適正な賃金を支払うなら、本来はもっと高い値段売らなければならないものを、利益を上げて株主による自分の評価を高めさせるために、経営者が安易な安売りに走っていることこそ、経営者による搾取。
だいたい、この筆者は労働者が「ワリを食う」状態にされていることを認識しているのですから、それは経営者が「搾取」していると自白しているも同然なんですけどね。

ビッグマック指数では、スイスの4割くらいの値段で日本のマクドナルドはビッグマックを売っていることになる。
何でそんなに安くしなければならないんでしょうか。それは、経営者が売上げを伸ばし、株主からの評価を高めるためでしょう。

2012年版ですけど、UBSが世界の物価と賃金を比較した「Prices and earnings」というレポートがあります。
http://www.ubs.com/global/en/wealth_management/wealth_management_research/prices_earnings.html

これに、ビッグマックと、1kgのパンと、1kgの米を買うのに何分働かなければならないかというテーブルがあります。ビッグマック/パン/米の順に並べると以下のようになります。

東京      9分/15分/15分
ニューヨーク 10分/13分/ 6分
ベルリン   16分/11分/ 9分
オスロ    18分/11分/12分
チューリッヒ 13分/ 6分/ 6分


これを見ると東京の異常さが際立ちます。
他の都市は皆、ニューヨークのパンを除いて、パンや米の方がビッグマックより安いのに、東京はパンや米がビッグマックよりも7割も高い。
このレポートでは世界72の都市について調べているのですが、東京の9分は世界最短、そしてパンと米の両方がビッグマックよりも高かったのも東京だけ

主食に対して、ビッグマックが極端に安い。
即ち、主食を食べて生きている労働者から搾取して、日本ではビッグマックの低価格を実現している姿が統計上に現れていということ。そしてやはりビッグマック指数はファーストフード店員の賃金格差の結果として価格差だということです。


で、この筆者は「結局給料を上げる方法は経済を成長させる事、という以外に解決策はない」と言ってますけど、さて、何で経済が成長すると給料が上がるんでしょ。

経済が成長しようがしまいが、マクドナルドの労働者の給料を上げたら商品価格が上がるのは不可避ですよね。そうしたら、他のファーストフードや弁当屋に客が流れるんじゃないですか? そして人件費が高くなったら機械に置き換えるんじゃないんですか?
経済が成長したら何でそういう流れが止まるんでしょ。
言っていることに論理性がありません

結局、本気で労働者の給料を上げる気なんて全くないから、おそらく当分成功しないであろう「経済を成長させる事」なんてことを前提にして、半永久的に労働者に「ワリを食わせる」、即ち搾取することを正当化する

この人の言いたいのはただそれだけでしょう。
スポンサーサイト

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

<< あまりにも無知なファイナンシャルプランナー4 ー 原価の意味 | ホーム | 日教組の組織率アップしかない?(追記) ー 過労死促進法案対策 >>


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 ホーム