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この人、本当に経営者?

ファーストリテイリングの柳井会長兼社長が世界同一賃金を導入すると言い出し、それに対しての反発が強まっているとか。
最近では新卒社員の約半数が3年以内に退社し、正社員全体の3%が精神疾患で休職しているというのですから、かの会社に対しては、これはもう「ブラック企業」の称号を奉るべきでしょうけど、従業員の生活を無視し、ただ会社の利益のみを物差しとしたこの構想は、いかにも「ブラック企業」らしいものと言えましょう。

一方で、この「世界同一賃金」が全ての企業/団体にも導入されたら、ファーストリテイリングという会社が成り立つのかという視点で考えたら、果たしてこの人は「経営者」と言えるのかという疑問もまた生じた次第。

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ユニクロ「やはりブラック企業」の批判 柳井氏の世界同一賃金構想が大炎上!
2013.04.27

 ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が「世界同一賃金」を導入する考えを示したことが、物議をかもしている。22日の朝日新聞によれば、店長候補として採用した全世界で働く正社員すべてと役員の賃金体系を統一する構想で、すでに役員や上級部長らには実施し、今後は一部の店長まで広げるという。
 翌23日付の朝日新聞に掲載された柳井氏のインタビューでは、「グローバル経済というのは『Grow or Die』(成長か、さもなければ死か)」「新興国や途上国にも優秀な社員がいるのに、同じ会社にいても、国が違うから賃金が低いというのは、グローバルに事業を展開しようとする企業ではあり得ない」などと説明された。

 これに対し、コラムニストの小田嶋隆氏が投稿した「世界同一賃金って、要は最貧国水準の賃金体系ってことだよね」というツイートに象徴されるように、「まさにブラック企業の発想だ」という声が多く聞かれる。

 朝日新聞のまとめによると、ファーストリテイリング社の新卒社員が入社後3年以内に退社した割合(離職率)は、2006年入社組は22%だったが、07年入社組は37%、さらに08〜10年の入社組は46〜53%と高まっており、休職している人のうち42%(店舗勤務の正社員全体の3%にあたる)がうつ病などの精神疾患。「社員を酷使する『ブラック企業』との批判は、こうした中で高まってきた」(同紙)としている。

 24日付の日刊ゲンダイは「ユニクロショックは地獄の始まり 年収100万円時代にのみ込まれる」との見出しで、「弱肉強食の競争社会で富を得るのは、一握りの『勝ち組』のみ。彼らとて『寝てない自慢』だけが喜びで、多くが家庭不和を抱えている。真の幸福とは程遠い暮らしが、『世界同一賃金』でエスカレートしていく」と断じている。

 また、経営者のためのニュースメディア「税金と保険の情報サイト」は、25日の記事で「ユニクロ柳井会長が労働法規無視」と批判。「最低賃金などは、各国の労働法規によって定められている。それぞれの国の物価や生活水準に配慮した金額となっており、これを均一化するのは単純な違法行為」であり、コンプライアンスを無視してまでグローバル化におびえる理由は見当たらない、と指摘している。同記事は「結局、柳井会長兼社長の『グローバル化』はワタミの渡邊美樹会長が語る『夢』と同じく、社員を使い捨てにするための『免罪符』にすぎない」と締めくくられた。

 再び朝日新聞のインタビューを見てみると、「仕事を通じて付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」と主張する柳井氏に対し、記者が「付加価値をつけられなかった人が退職する、場合によってはうつになったりすると」と返すと、「そういうことだと思う。日本人にとっては厳しいかもしれないけれど。でも海外の人は全部、頑張っているわけだ」と応じている。

 こうした直接的な物言いに対し、個人投資家の山本一郎氏は25日の「やまもといちろう 無縫地帯」で、「ユニクロ・柳井正会長はモノの言い方を考えないのか」と、コンプライアンスの面から疑問を呈した。

 これまで、ブラック企業経営者とされる人々は、社会に対して何らかのエクスキューズの幅を持たせる発言をしてきたが、「柳井さんの一連のインタビューは、世間的なイメージとしてのブラック企業・ユニクロを追認するような、苛烈な内容」であり、「ブラック企業そのものの金満体質を隠さず披露するなどというのは社会からの報復も恐れないということであろうか」「同じことを言うにも言い方があるでしょうし、これでブラック企業批判はより一層高まるでしょうね」とまとめている。
 世界同一賃金の導入は、日本企業のグローバル化対応に先鞭をつける妙手となるのか、日本の賃金下落を招き、社員を疲弊させることになるのか。少なくとも、後者を懸念する声が大きいことは間違いないようだ。

http://biz-journal.jp/2013/04/post_2001.html
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まず、上の記事に書かれている柳井氏が言っていることの中でおかしなところを挙げて見ます。

「新興国や途上国にも優秀な社員がいるのに、同じ会社にいても、国が違うから賃金が低いというのは、グローバルに事業を展開しようとする企業ではあり得ない」

有り得ないのは、この人の発想でしょう。まるで自分が世界経済の支配者になったかのような物言いですけど、実際には、国が違えばまず物価が違う。先進国の物価は新興国や途上国よりもずっと高いのを無視しています。
社員をある国で働かせるには、まずその国できちんと生活できるように給料を払わなければならない、それだけの給料を払わなければ、優秀な社員なんて集められません
仮にユニクロの製品は「世界同一価格」だったとしても、人はユニクロ製品だけを買って生きては行けません。
ファーストリテイリングが世界経済を全て支配して、食料もエネルギーも情報も、世界のどこに行っても同じものは同じ価格で買える世の中を実現するまでは、この人の考え方は浮世離れだし、実際にユニクロ製品にしたって、原料を調達して製造する過程で地理的に一旦集約し、それを製品として世界中に配っているのですから、どちらにも運賃という要素が入り込んで、同一価格、同一付加価値を実現するのは不可能なはず。こういうことを言うなら、まず自社製品においてこの矛盾をどう解消するのかと、聞いてみたいものです。

というか、こんな考え方でいるから、物価の安い新興国や途上国では相対的に優秀な人材を集められるけど、物価の高い日本では優秀な人材が入って来ない。だからますます日本人社員の賃金を下げろという発想となる、デススパイラル状態に柳井氏は陥っているものと見受けられます。


「仕事を通じて付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」

そもそもこの人の言う「付加価値」って何なんでしょ。
ユニクロのように製品の企画、製造、販売を行っている企業の場合、途上国と先進国で比べられるのは販売の部分だけ。一部分を切り取って、利益を途上国でのそれと比較して、あれこれ言うのはフェアじゃない。
物価の高い国で商品を売るには、それだけのコストがかかるのだから、同じ値段で売った同じ商品で得られる利益は、物価の安い国に比べて小さくなるのは避けられません。そんなに付加価値が大事なら、そんな国からはさっさと撤退して、低賃金で優秀な人材が集まり、高い付加価値をつけられる途上国での事業に特化すべきなんじゃありませんか?
柳井氏の付加価値論から言えば、物価の高い国で自社の商品を売らせようとする「経営者」柳井氏の判断が間違っているってことであり、その責任を現場の社員に押し付けようとしているのが、この同一賃金構想でしょう。


「そういうこと(付加価値がつけられない人は退職またはうつになる)だと思う。日本人にとっては厳しいかもしれないけれど。でも海外の人は全部、頑張っているわけだ」

そりゃあなたの会社の海外の人は頑張るでしょうね。物価の安い途上国で、日本で暮らす従業員並の賃金を貰えたら、日本人以上に頑張るのは当然じゃありませんか
そして、もっともらしいことを言ってますけど、じゃあ、何であなたの会社では途上国の頑張っている社員の給料を日本人並にしないんですか? と聞いてみたいところ。
そんなに優秀なら、日本人並にまで給料を引き上げて「フラット化」すれば良い。

でも、柳井氏はそんなことをする気はサラサラなさそうですね。

ファーストリテイリングの「頑張っている」「優秀な」途上国の社員も、結局柳井氏からは、日本人の賃下げのための道具としてしか見られていないのです。

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さて、この柳井氏の一連の発言を見て、私が彼の経営者としての能力に疑問が生じたのは以下の点。

彼の言うように、グローバル化が進むことで、日本の勤労者が少数の1億円プレーヤーと大多数の年収100万円層に二極分化したとします。
その時、ユニクロを始めとするファーストリテイリングの事業はどうなるのか考えたことはあるのでしょうか?

衣料品というのは、食料品とは違い、年収が下がれば買い控えられやすい商品です。
年収400万円の人が年収100万になったら、まず新しい衣料品など買わなくなる。
そして、年収1億円の人達は最初からユニクロなんてまず買わない。

つまり、世界同一賃金が本当に正しい考え方で、それが世界中に広まったら、おそらくユニクロの売り上げは激減する、自分の首を絞めてしまうだろうってことです。

おそらく、彼はそんなことには気付いている。だから自社以外でこの「グローバル化」が実行されることは全く望んでいないのです。

結局、彼の「グローバル化」とは自分の会社だけで実行される非常に「ローカル」な施策であり、それを口実に従業員の賃下げを行い、自分達「勝ち組」だけが多額の利益を得る仕組みのことを表している。

彼の言っていることと、本当にやろうとしていることには、このように大きな乖離があるということでしょう。

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