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適切な賃金を払いたがらないだけ ー 3K仕事


すき家を経営するゼンショーHD社長が「日本人はだんだん3K仕事やりたがらなくなっている」と言ったとか。

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すき家のゼンショーHD社長「3K仕事やりたがらない」
2014年5月14日19時59分

 人手不足に悩む外食大手ゼンショーホールディングスの小川賢太郎社長は「日本人はだんだん3K(きつい、きたない、危険)の仕事をやりたがらなくなっている」と嘆く。傘下の牛丼チェーン「すき家」では2月以降、アルバイト不足で一時閉店が相次ぎ、28店が今も休業中。景気回復に伴う人手不足は、外食や小売りで深刻だ。原則である24時間営業をやめる店も出ているといい、「深夜営業が一番難しい」。

http://www.asahi.com/articles/ASG5G5FL3G5GULFA02J.html
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これに対して、ゼンショーはそれは社長の所感ではなく、雑誌にそう書いてあったと述べただけだと抗議しているそうですけど、自社の業績のマイナス要因になっている人手不足問題について記者から質問されて、3K仕事とすき家の仕事に何の接点もないなら、そんな雑誌の記事を引用する方がおかしい。あるいは、その雑誌の記事を否定したならまだしも、明らかに肯定的にコメントしているのですから、少なくとも、自社の人手不足の原因と3K仕事の人手不足の原因に共通の要素があると思っているのは間違いないでしょ。

何を言い訳にもならない言い訳をしようとしているのかってところです。

で、この社長さんは「日本人はだんだん」なんてあたかも日本人のメンタリティに原因があるかのように言ってますけど、かつて言われた3K仕事というのはキツイけれども給料は良いという仕事のことを示していたと思います。
そのペイの方法をどんどん切り下げて、一体全体誰がそんな仕事をやる気になるかということ。

即ち、「日本人はだんだん3K仕事に適切な額の給料を支払いたがらなくなっている」と評すべきなのが現状です。

これから働き手の数がどんどん減って来るというのに、そんな労働者使い捨てに立脚したようなビジネスモデルが今後も続けられると夢見ているところも、経営者失格だと言えましょう。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

何故、経営者がそんなシステムを導入したがるかを考えれば目的は明白 ー 残業代ゼロ

政府がまたまた日本人の奴隷化を進めようとしています。

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残業代ゼロ検討指示 首相「時間でなく成果で評価」
2014年4月23日 朝刊

 安倍晋三首相は二十二日、政府の経済財政諮問会議と産業競争力会議との合同会議で「時間ではなく成果で評価される働き方にふさわしい、新たな労働時間制度の仕組みを検討してほしい」と労働時間規制の緩和を検討するよう指示した。 
 民間議員は同日、一定の要件を満たす労働者については、残業代や深夜、休日労働への割増賃金の支払いなどの労働時間規制を適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入を提言。首相の指示はこうした制度を念頭に置いたものとみられる。合同会議は労働法制を所管する厚生労働省と今後調整を本格化し、六月に改定する成長戦略への反映を目指す。
 労働時間を自己裁量で決められる一方、残業代などが支払われないホワイトカラー・エグゼンプションは第一次安倍政権でも導入を図ったが、長時間労働や過労死を招くと労組などが反発し、見送られた。労組や民主党など野党の反発は必至で、導入は難航する可能性もある。
 産業界は、労働時間の長さで賃金を決める制度が、ホワイトカラーの働き方にはなじまないなどとして労働時間規制の緩和を主張してきた。
 産業競争力会議の民間議員は、国が年間労働時間の上限を示し、従業員の健康への配慮措置を設けた上で労使合意により対象職種を決める方式と、年収が一千万円以上で高度な職業能力を持つなど「高収入・ハイパフォーマー型」の労働者を対象とする方式の二種類を示した。
 田村憲久厚労相は高収入者を対象とする案について、成果で評価する働き方に「そぐうものだと思う」と一定の評価を示した一方、労使合意方式に関しては「把握していないため今後研究したい」と述べた。
 <ホワイトカラー・エグゼンプション> 主に事務職の労働者を対象に労働時間を自己裁量とする代わりに残業代や深夜労働などの割増賃金が支払われない制度。労働基準法は労働時間の原則を1日8時間、週40時間と定め、超える場合は残業代などの支払いを義務付けているが、この規制を外す。導入した場合、成果さえ出せば短時間で仕事を切り上げられる半面、長時間労働を助長する恐れがある。労働組合は「サービス残業の合法化で過労死の続発につながる」と反対している。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014042302000141.html
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年収1000万円以上なんて言うと、いかにも、高額所得者であるかのように見えますけど、実際にはそんなことはないし、そもそもこの案では、1000万円の年収を与える変わりに、どれだけの仕事量を課すのかについては、一切制約がありません。
つまり、企業が過酷なノルマを課し、それを達成するためにいくら働いても残業代ゼロ、とすることだってできるわけです。

だいたい正社員を1.5倍働かせようとしたら、残業代の割り増しで、給与は2倍は払わなくてはなりません。もちろん賞与分がありますから年収が2倍になるわけではありませんけど。
でも、年収700万円の社員3人に残業ゼロで働かせていた会社の場合、1人減らして2人に1000万円払うことにしたら、100万円人件費を削ることができる。
そして、1.5倍働くというのは、月の残業時間80時間(1日3時間の残業プラス2回の休日出勤相当)程度ですから、意識しないと結構簡単に達してしまうレベル
名ばかり店長同様、普通の労働者を1000万円プレイヤーに仕立て上げて、山のようなノルマを課し、それをこなせるまで24時間365日働かせたって文句を言わせない。そして、それに社員が耐えきれなくなったとしたら、使い捨てにすると。
1.5倍程度では人件費の削減幅はそれほど大きくないかも知れませんけど、人数が減る分だけ、オフィスも小さくできるなど、様々な経費の削減も可能となる。

こんな制度、労働者にとってのメリットなんて何もない
経営者が、1000万円以上の給料を払おうという労働者に対し、短時間で終わるような仕事量しか与えないなんてあるわけがない

そもそも、この「産業競争力会議」とやらでなんでこんなことが「提言」されたかと言えば、それが経営者たちの「利益」になるからでしょ。本来、経営者とはいかに大きな付加価値をつけられる商品やサービスを生み出せるかが勝負なのに、ただ誰かと同じ商品やサービスしか提供せず、コストを下げて付加価値を得るために労働者にそのしわ寄せを押し付けるなんて、誰にでもできること。

こんなことを考える経営者なんて、経営者の風上にも置けないと、私は思いますね。

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この人、本当に経営者?

ファーストリテイリングの柳井会長兼社長が世界同一賃金を導入すると言い出し、それに対しての反発が強まっているとか。
最近では新卒社員の約半数が3年以内に退社し、正社員全体の3%が精神疾患で休職しているというのですから、かの会社に対しては、これはもう「ブラック企業」の称号を奉るべきでしょうけど、従業員の生活を無視し、ただ会社の利益のみを物差しとしたこの構想は、いかにも「ブラック企業」らしいものと言えましょう。

一方で、この「世界同一賃金」が全ての企業/団体にも導入されたら、ファーストリテイリングという会社が成り立つのかという視点で考えたら、果たしてこの人は「経営者」と言えるのかという疑問もまた生じた次第。

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ユニクロ「やはりブラック企業」の批判 柳井氏の世界同一賃金構想が大炎上!
2013.04.27

 ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が「世界同一賃金」を導入する考えを示したことが、物議をかもしている。22日の朝日新聞によれば、店長候補として採用した全世界で働く正社員すべてと役員の賃金体系を統一する構想で、すでに役員や上級部長らには実施し、今後は一部の店長まで広げるという。
 翌23日付の朝日新聞に掲載された柳井氏のインタビューでは、「グローバル経済というのは『Grow or Die』(成長か、さもなければ死か)」「新興国や途上国にも優秀な社員がいるのに、同じ会社にいても、国が違うから賃金が低いというのは、グローバルに事業を展開しようとする企業ではあり得ない」などと説明された。

 これに対し、コラムニストの小田嶋隆氏が投稿した「世界同一賃金って、要は最貧国水準の賃金体系ってことだよね」というツイートに象徴されるように、「まさにブラック企業の発想だ」という声が多く聞かれる。

 朝日新聞のまとめによると、ファーストリテイリング社の新卒社員が入社後3年以内に退社した割合(離職率)は、2006年入社組は22%だったが、07年入社組は37%、さらに08〜10年の入社組は46〜53%と高まっており、休職している人のうち42%(店舗勤務の正社員全体の3%にあたる)がうつ病などの精神疾患。「社員を酷使する『ブラック企業』との批判は、こうした中で高まってきた」(同紙)としている。

 24日付の日刊ゲンダイは「ユニクロショックは地獄の始まり 年収100万円時代にのみ込まれる」との見出しで、「弱肉強食の競争社会で富を得るのは、一握りの『勝ち組』のみ。彼らとて『寝てない自慢』だけが喜びで、多くが家庭不和を抱えている。真の幸福とは程遠い暮らしが、『世界同一賃金』でエスカレートしていく」と断じている。

 また、経営者のためのニュースメディア「税金と保険の情報サイト」は、25日の記事で「ユニクロ柳井会長が労働法規無視」と批判。「最低賃金などは、各国の労働法規によって定められている。それぞれの国の物価や生活水準に配慮した金額となっており、これを均一化するのは単純な違法行為」であり、コンプライアンスを無視してまでグローバル化におびえる理由は見当たらない、と指摘している。同記事は「結局、柳井会長兼社長の『グローバル化』はワタミの渡邊美樹会長が語る『夢』と同じく、社員を使い捨てにするための『免罪符』にすぎない」と締めくくられた。

 再び朝日新聞のインタビューを見てみると、「仕事を通じて付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」と主張する柳井氏に対し、記者が「付加価値をつけられなかった人が退職する、場合によってはうつになったりすると」と返すと、「そういうことだと思う。日本人にとっては厳しいかもしれないけれど。でも海外の人は全部、頑張っているわけだ」と応じている。

 こうした直接的な物言いに対し、個人投資家の山本一郎氏は25日の「やまもといちろう 無縫地帯」で、「ユニクロ・柳井正会長はモノの言い方を考えないのか」と、コンプライアンスの面から疑問を呈した。

 これまで、ブラック企業経営者とされる人々は、社会に対して何らかのエクスキューズの幅を持たせる発言をしてきたが、「柳井さんの一連のインタビューは、世間的なイメージとしてのブラック企業・ユニクロを追認するような、苛烈な内容」であり、「ブラック企業そのものの金満体質を隠さず披露するなどというのは社会からの報復も恐れないということであろうか」「同じことを言うにも言い方があるでしょうし、これでブラック企業批判はより一層高まるでしょうね」とまとめている。
 世界同一賃金の導入は、日本企業のグローバル化対応に先鞭をつける妙手となるのか、日本の賃金下落を招き、社員を疲弊させることになるのか。少なくとも、後者を懸念する声が大きいことは間違いないようだ。

http://biz-journal.jp/2013/04/post_2001.html
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まず、上の記事に書かれている柳井氏が言っていることの中でおかしなところを挙げて見ます。

「新興国や途上国にも優秀な社員がいるのに、同じ会社にいても、国が違うから賃金が低いというのは、グローバルに事業を展開しようとする企業ではあり得ない」

有り得ないのは、この人の発想でしょう。まるで自分が世界経済の支配者になったかのような物言いですけど、実際には、国が違えばまず物価が違う。先進国の物価は新興国や途上国よりもずっと高いのを無視しています。
社員をある国で働かせるには、まずその国できちんと生活できるように給料を払わなければならない、それだけの給料を払わなければ、優秀な社員なんて集められません
仮にユニクロの製品は「世界同一価格」だったとしても、人はユニクロ製品だけを買って生きては行けません。
ファーストリテイリングが世界経済を全て支配して、食料もエネルギーも情報も、世界のどこに行っても同じものは同じ価格で買える世の中を実現するまでは、この人の考え方は浮世離れだし、実際にユニクロ製品にしたって、原料を調達して製造する過程で地理的に一旦集約し、それを製品として世界中に配っているのですから、どちらにも運賃という要素が入り込んで、同一価格、同一付加価値を実現するのは不可能なはず。こういうことを言うなら、まず自社製品においてこの矛盾をどう解消するのかと、聞いてみたいものです。

というか、こんな考え方でいるから、物価の安い新興国や途上国では相対的に優秀な人材を集められるけど、物価の高い日本では優秀な人材が入って来ない。だからますます日本人社員の賃金を下げろという発想となる、デススパイラル状態に柳井氏は陥っているものと見受けられます。


「仕事を通じて付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」

そもそもこの人の言う「付加価値」って何なんでしょ。
ユニクロのように製品の企画、製造、販売を行っている企業の場合、途上国と先進国で比べられるのは販売の部分だけ。一部分を切り取って、利益を途上国でのそれと比較して、あれこれ言うのはフェアじゃない。
物価の高い国で商品を売るには、それだけのコストがかかるのだから、同じ値段で売った同じ商品で得られる利益は、物価の安い国に比べて小さくなるのは避けられません。そんなに付加価値が大事なら、そんな国からはさっさと撤退して、低賃金で優秀な人材が集まり、高い付加価値をつけられる途上国での事業に特化すべきなんじゃありませんか?
柳井氏の付加価値論から言えば、物価の高い国で自社の商品を売らせようとする「経営者」柳井氏の判断が間違っているってことであり、その責任を現場の社員に押し付けようとしているのが、この同一賃金構想でしょう。


「そういうこと(付加価値がつけられない人は退職またはうつになる)だと思う。日本人にとっては厳しいかもしれないけれど。でも海外の人は全部、頑張っているわけだ」

そりゃあなたの会社の海外の人は頑張るでしょうね。物価の安い途上国で、日本で暮らす従業員並の賃金を貰えたら、日本人以上に頑張るのは当然じゃありませんか
そして、もっともらしいことを言ってますけど、じゃあ、何であなたの会社では途上国の頑張っている社員の給料を日本人並にしないんですか? と聞いてみたいところ。
そんなに優秀なら、日本人並にまで給料を引き上げて「フラット化」すれば良い。

でも、柳井氏はそんなことをする気はサラサラなさそうですね。

ファーストリテイリングの「頑張っている」「優秀な」途上国の社員も、結局柳井氏からは、日本人の賃下げのための道具としてしか見られていないのです。

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さて、この柳井氏の一連の発言を見て、私が彼の経営者としての能力に疑問が生じたのは以下の点。

彼の言うように、グローバル化が進むことで、日本の勤労者が少数の1億円プレーヤーと大多数の年収100万円層に二極分化したとします。
その時、ユニクロを始めとするファーストリテイリングの事業はどうなるのか考えたことはあるのでしょうか?

衣料品というのは、食料品とは違い、年収が下がれば買い控えられやすい商品です。
年収400万円の人が年収100万になったら、まず新しい衣料品など買わなくなる。
そして、年収1億円の人達は最初からユニクロなんてまず買わない。

つまり、世界同一賃金が本当に正しい考え方で、それが世界中に広まったら、おそらくユニクロの売り上げは激減する、自分の首を絞めてしまうだろうってことです。

おそらく、彼はそんなことには気付いている。だから自社以外でこの「グローバル化」が実行されることは全く望んでいないのです。

結局、彼の「グローバル化」とは自分の会社だけで実行される非常に「ローカル」な施策であり、それを口実に従業員の賃下げを行い、自分達「勝ち組」だけが多額の利益を得る仕組みのことを表している。

彼の言っていることと、本当にやろうとしていることには、このように大きな乖離があるということでしょう。

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安全を軽視した企業が市場で淘汰されるのを待つというのは人体実験をするってこと

前エントリの続きです。

今回のバス事故のようなことが起きると、規制緩和を推進した側からは、事後のチェック体制が不十分だったのであり規制緩和自体は間違っていない、との主張の他に、悪質な業者は市場で淘汰される、という反論が為されることもあります。

確かに陸援隊の社長は逮捕され、ハーヴェストホールディングも廃業となりました。「ホラ見ろ、ちゃんと市場原理が働いて悪質な業者は排除されるではないか」と言う人もいることでしょう。
ちなみに、今回の件で陸援隊やハーヴェストホールディングが排除されたとしても、それは結局行政が退場させたということであり、市場が退場させたわけではないんですけどね。

でも、それは今回の様な事故が起きたから。事故が起きなかったら、彼らが悪質かどうか、我々は知ることはできなかった。そして、今現在も走っているその他のツアーバスのどれが、彼らと同じ様な運行をしているのかは、相変わらずわからない。
つまり、誰かが死んだり怪我をしたりしなければその情報は得られない。言わば壮大な人体実験をやっているってことじゃありませんか。

で、その被験者になるのはツアーバスの低価格に釣られた人達なのですから、所得の低い人がなってしまう確率が高い。

規制緩和礼賛、市場原理万能という一種のイデオロギーの正当性を示すために低所得の人々の命を利用するというのは、人として何か間違っていると思いますね。

こと安全に関することについては、公的な機関が事前にしっかり規制をする。
その同じ土俵に立った上で企業は競争をする。
私はそうした方が、結果的に国民が支払うコストも小さく出来ると思っています。

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規制緩和の結果が「官」の肥大を生む?


ゴールデンウィークの関越道で、ツアーバスの運転手が居眠りをして多くの人が亡くなるという痛ましい事故が発生しました。
その記憶も薄れていない今月2日に、今度は東北道で、脳梗塞を患い、医者から運転を止められていた運転手が追突事故を起こして多くのケガ人が出ました。

これらの事故の原因が、安全性を切り捨てた企業が勝つという「構造改革」路線にあったことは明らかです。

確かに、官僚が何にでも口を挟み、企業の足を引っ張るような状況があったことは確かでしょうし、既得権益者が守られて利用者が高いお金を払わされたということもあったでしょう。

しかしながら、規制緩和によりバス会社の数が2倍になり、ダンピングが横行するようになってしまっては、結局、運転手の給与や安全にかかるコストを削ったものが勝つのは必然です。

未だに規制緩和路線を支持する者の中には、今回の事故に際して、規制緩和は間違っていない、問題は、悪質な業者を排除するチェック体制が不十分だったからだ、なんて言っている人もいます。

でも、常識で考えたらわかるでしょ。
会社の数が2倍になったら、チェックする手間も2倍になるんですよ。
しかも、予め官の側がレベルを定めてそれに合致するか否かで判断するならまだしも、そういうやり方は企業の自主性を損なうと言われ、安全に関することも「自主規制」がベースなのですから、そうなると安全を司る官庁が、企業の自主規制のレベルが不足だと思っても、それを修正させる根拠を提示することは容易ではなく、本当に事後チェックで安全を確保しようと思ったら、事前審査の倍の労力がかかると思った方が良い。

現に、先月の事故を起こしたバス会社については、GWの事故を受けて検査をやったのに、運転手の運転時間が規定をオーバーしていたのに気付かなかった。

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東北道バス事故:乗務時間が新基準違反 国交省見逃す
毎日新聞 2012年08月02日 21時18分(最終更新 08月02日 23時20分)

 宮城県の東北自動車道の夜行バス事故で、今回のツアーで計画された運転手の乗務時間が、46人が死傷した関越道の高速ツアーバス事故を受け国土交通省が施行した交代運転手の新基準を超えていたことが2日、事故を起こしたバス会社「クルージングワールド」に対する関東運輸局の特別監査で分かった。夜行バスの乗務時間の上限は1日10時間なのに11時間半あった。同省は同社を先月20日に抜き打ち検査したが、乗務時間の違反を見逃していたことも判明した。

 同省は、乗客を運ぶ距離が400キロを超える夜行ツアーバスに交代運転手の配置を原則義務づける新基準を7月20日に施行。休憩を含む乗務時間が10時間を超える場合も交代の配置を義務づけた。

 同省によると、同社がワンマン運行した東京ディズニーランド発仙台駅行きバスの走行距離は395キロで基準内。しかし、同社の車庫を出て宮城県の車庫に着くまでの乗務時間は11時間半で、基準を1時間半超えていた。同省は道路運送法に基づき行政処分する。

 また、同省は新基準施行日の7月20日夜、同社の同じルートの夜行バスを仙台駅で抜き打ち検査していたが、走行距離の基準しか調べず、乗務時間の違反を見逃していた。同省自動車局は「限られた時間の中で複数のバスを検査するため乗務時間を調査項目から外していた」と釈明。検査態勢を見直すとともに、業界団体に新基準を徹底するよう通知した。【桐野耕一】


http://mainichi.jp/select/news/20120803k0000m040071000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20120803k0000m040071000c2.html
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これを官のお粗末と見る向きもあるでしょうけど、そもそもこれだけの数のバス会社を事後チェックするというコンセプトと、現在の検査体制がマッチしていないのであり、このミスマッチを解消するためには、監督官庁の人員を大幅に増員しなければ、とても対応できません。

「官」の支配を終わらせ、民間の活力を活かせと推しすすめられたはずの規制緩和路線。ところがその結果は「官」の肥大が求められる事態に。

何とも皮肉な話です。

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